【ペガサス田中のネットワークオーディオいじり #08】最近なぜか「二重ルーター」が熱い?!DATA ISO BOX、シナジールーター、NET SILENTでオーディオ専用ネットワークを本気で作ってみる!
1.なんか最近「二重ルーター」の話、多くないですか?
2.二重ルーターって、実際には何をしているの?
3.DATA ISO BOX、シナジールーター、NET SILENTをペガサスならどう選ぶ?
4.オーディオ用ルーターにWi-Fiが無い理由と、スマホ操作はどうするの?
5.ビットパーフェクトなのに、なんでルーターで音が変わるの?
6.二重ルーターを使うなら、ネットワーク構成もちゃんと考えよう!
7.まとめ:二重ルーターは「分ける」だけじゃない!ルーター自体の音も聴いてほしい
1.なんか最近「二重ルーター」の話、多くないですか?
皆さんこんにちは!OTAI AUDIOのペガサス☆TANAKAです。最近SNSを眺めていると、「二重ルーターってどうなの?」「オーディオ用にネットワークを分ける意味あるの?」みたいな話を以前より目にするようになりました。
いや、この話ペガサスちょっと前にかなり書いたぞ・・・と思いつつ、同時にちょっと嬉しいんですよ。ネットワークオーディオって、少し前まではLANケーブルやスイッチングハブの交換が中心だったのに、今では家庭用とは別にオーディオ用ルーターを使う話まで普通にされるようになってきました。
しかもOTAI AUDIOではTOP WING「DATA ISO BOX」に加えて、Synergistic Research「Network Router UEF」、EDISCREATION「NET SILENT」と、価格も設計思想もかなり違うオーディオ用ルーターを実際に扱っています。以前の「ネットワークオーディオいじり #02」では、ルーターでなぜ音が変わるのか?家庭用とオーディオ用でネットワークを分ける意味は何なのか?という部分をペガサスなりに考察しました。
今回はその後日談というか、もっと実践的な話です。理屈や考察については前回やりましたので、今回は「実際にどう接続するのか?」「3機種はどう違うのか?」「自分のシステムなら何を選ぶのか?」というところを中心に書いてみます!
2.二重ルーターって、実際には何をしているの?
二重ルーターの接続自体は、そんなに難しくありません。今まで使っている家庭用Wi-Fiルーターはそのまま残して、そのLANポートからオーディオ用ルーターへ接続します。さらにNAS、Roon Server、ネットワークプレーヤーなど、音楽再生に使う機器をオーディオ用ルーター側へ接続します。
家庭用ルーターにはテレビ、スマートフォン、コンピューター、ゲーム機、スマート家電など普段使う機器を接続して、オーディオ用ルーターには音楽再生に必要な機器をまとめます。ネットワーク的にはルーターを境に別々のネットワークを作ることになり、専門用語では「ブロードキャストドメインの分割」なんて呼びます。
家中の機器と同じネットワークで音楽を再生するのではなく、音楽再生専用のネットワークを別に作る。
難しい名前は覚えなくても、とりあえずこれだけ分かれば大丈夫です。
3.DATA ISO BOX、シナジールーター、NET SILENTをペガサスならどう選ぶ?
今回のメインテーマです!同じオーディオ用ルーターでも、DATA ISO BOX、シナジールーター、NET SILENTは価格も作り方も、ペガサスが聴いた音質もかなり違います。
まずTOP WING「DATA ISO BOX」は税込55,000円。オーディオ用ルーターというジャンルで5万円台というのは、今考えてもかなり攻めた価格です。「二重ルーターは試してみたい。でもいきなり30万円とか70万円は無理!」という方でも導入しやすく、家庭用とオーディオ用でネットワークを分ける効果を実際に試せるのが大きな強みです。
音質も変に派手な方向ではなく、ペガサスが聴くとS/Nが良くなり、背景がクリアになって、音像や細かな音が分かりやすくなります。まず二重ルーターという考え方を自分のシステムで試してみたいなら、DATA ISO BOXは非常に使いやすい製品だと思います。
対してSynergistic Research「Network Router UEF」、通称シナジールーターは税込726,000円。70万円を超えるルーターなので、価格だけ聞いたら「何言ってんだ?」となりますよね。まあ、たしかに高いですよ?(笑)
でもペガサスはOTAI AUDIOのリファレンスとして長く使ってきましたし、多くのお客様にもご愛用いただいています。単純にノイズが減ってS/Nが良くなるだけではなく、ボーカルの肉付き、低域の厚み、音像の密度感が増して、音楽全体がかなり濃くなるんですよ。
ネットワーク機器を交換した時に「解像度は上がったけど音が細くなった」と感じる製品もありますが、シナジールーターはその逆で、情報量を出しながら音に厚みも持たせてくる。ハイエンドなネットワークプレーヤーやRoon Serverを使っていて、ストリーミング再生も本気で音を追い込みたい方にぜひ聴いてほしい製品です。
そして最近ペガサスがかなり気に入っているのがEDISCREATION「NET SILENT」です。JPSMが税込330,000円、上位のJPEMが税込616,000円で、リニア電源、高精度OCXOクロック、SFPポート、LANポートごとのグランドアイソレーション、アルミ筐体など、完全にオーディオ機器として設計されています。
Wi-Fiも最初から搭載せず、便利だから何でも詰め込むのではなく、音楽再生に必要な機能を残しながら余計なノイズ源を減らすという考え方が徹底されています。JPSMはEDISCREATIONらしい温度感を保ちながらS/N、解像度、空間表現が良く、JPEMではさらに音像の立体感や繊細さが増して、ボーカルや楽器がより生々しく感じられます。
同じNET SILENTでもJPSMとJPEMで結構音が違うんですよね。こういう比較を何度もやっていると、ペガサスとしては「ルーターなんてパケットが届けば、つまりビットパーフェクトなら全部同じでしょ?」だけでは説明できないと感じます。
ペガサスなら、まず二重ルーターを試したい方にはDATA ISO BOX。音の厚みや密度まで含めてハイエンドで追い込みたい方にはシナジールーター。電源、クロック、SFP、グランド処理まで含めてネットワーク機器そのものをオーディオ機器として選びたい方にはNET SILENT、という感じでおすすめします。
4.オーディオ用ルーターにWi-Fiが無い理由と、スマホ操作はどうするの?
ここで「じゃあRoonやネットワークプレーヤーをスマホからどうやって操作するの?」という疑問が出ますよね。DATA ISO BOX、シナジールーター、NET SILENTは、一般的な家庭用Wi-Fiルーターのように無線機能まで一台の中にまとめる設計ではありません。
スマートフォンやタブレットをオーディオ側へ接続する場合は、別途Wi-Fiアクセスポイントを用意します。例えばTOP WING「OPT AP」は、オーディオシステムで無線操作するために作られたアクセスポイントで、ルーターにはルーターの仕事をさせて、無線通信は別の機器に任せるという考え方です。
#07で「ルーター=Wi-Fiではありません!」と書きましたが、オーディオ用ルーターではまさにその使い方になります。家庭用Wi-Fiルーターでは一台にまとめられていた機能を、音質を考えて別々の機器に担当させます。
5.ビットパーフェクトなのに、なんでルーターで音が変わるの?
ネットワークオーディオの話をすると本当によく聞かれます。「デジタルデータなんだから、0と1が同じなら音も同じでしょ?」という疑問ですね。ペガサスもルーターを交換することで音楽データそのものが別のデータに変化している、な~んて考えているわけではありません!
ただ、データがビットパーフェクトで届いていることと、最終的にDACから出てくるアナログ信号まで完全に同じになることは別の問題だと考えています。ネットワークプレーヤーやDACはLANケーブルを通してデータを受信しますが、その接続にはネットワーク機器の電源や回路から発生する高周波ノイズなど、音楽データとは別の電気的な要素も関係します。
そしてデジタルで受信した音楽を、最後はDACやネットワークプレーヤー内部の回路でアナログ信号へ変換します。そのアナログ回路にネットワーク側から回り込んだノイズが影響すれば、0と1が同じでも最終的な再生音に差が出る可能性があります。
データが壊れるから音が悪くなるのではなく、ネットワーク側から回り込む電気的なノイズが、最終的なアナログ再生へ影響する。ペガサスはここを重要だと考えています。
家庭で一台のルーターだけを使っている場合、テレビ、コンピューター、ゲーム機、スマート家電など色々な機器が同じネットワークにつながっています。二重ルーターにして音楽再生用のネットワークを分けることで、不要な通信を減らすだけでなく、家庭内の機器やネットワーク機器からオーディオ側へ回り込むノイズを減らすことも期待できます。
ただし、これだけでオーディオ用ルーターの音質差を全部説明できるとは思っていません。DATA ISO BOX、シナジールーター、NET SILENTを比較すると、S/N、低域の厚み、音像の密度、奥行き、余韻、ボーカルや楽器の生々しさまでそれぞれ違いますので、ルーター内部の電源、クロック、グランド処理、筐体なども再生音に関係しているとペガサスは考えています。
もちろん「理屈として納得できない」という方がいても全然いいと思います。だからこそペガサスは、理屈だけで良い悪いを決めるのではなく、同じシステムで交換して比較試聴して、必要かどうかは最後に自分の耳で判断するのが一番だと思っています。
OTAI AUDIOのYouTube「ネットワークオーディオ初心者講座」もぜひご覧ください!
この話についてはYouTubeの「ネットワークオーディオ初心者講座」でもかなり詳しく紹介しています。第一弾ではネットワークオーディオとノイズについて、第二弾では二重ルーターの意義、第三弾では実際にオーディオ用ルーターを使って比較試聴していますので、今回の記事と合わせてぜひご覧ください。
【絶対に知らない?!】99%の人が知らないネットワークオーディオの秘密教えます!|ネットワークオーディオ初心者講座第一弾
【知らないと損する!】TAKTSTOCK 庵さんが熱く語る「二重ルーター」の意義とは?|ネットワークオーディオ初心者講座第二弾
【ルーターで音が変わるわけがない!】・・・という人ほど見てほしい動画になっています!|ネットワークオーディオ初心者講座第三弾
6.二重ルーターを使うなら、ネットワーク構成もちゃんと考えよう!
二重ルーターは音質だけ考えてLANケーブルを接続すれば完結!という製品では残念ながらありません。家庭用側とオーディオ用側が別のネットワークになりますので、NASやRoon Server、ネットワークプレーヤー、スマートフォンをどちらへ接続するのかも考える必要があります。
例えばNASを家庭用ルーター側からオーディオ用ルーター側へ移動すると、IPアドレスが変わる場合があります。RoonへNASをIPアドレスで登録していると、そのIPアドレスが変わったことで音楽フォルダーへアクセスできなくなることもあります。
この問題については「ネットワークオーディオいじり #06」で詳しく紹介しました。DELAやfidataなど、対応している環境ならIPアドレスではなくホスト名で登録することで、IPアドレスが変更された場合にも再設定を減らせます。
スマートフォンやタブレットからRoonやネットワークプレーヤーを操作する場合も、基本的にはオーディオ側のネットワークへ接続します。そのために先ほど紹介したOPT APのような無線アクセスポイントをオーディオ用ルーター側へ接続するわけです。
またRoon ARCのように外出先から自宅へアクセスする機能は、二重ルーターにすることで設定が複雑になったり、製品によっては利用できない場合があります。オーディオ用ルーターを導入する時は、音質だけでなく、自分が普段どうやって音楽を再生しているのかまで含めて構成を決めることが大切です。
オーディオ用ルーターって、製品を売ってLANケーブルを挿して終わりじゃないんですよね。NAS、Roon、ネットワークプレーヤー、無線APまで含めてちゃんと使える状態にする必要がありますので、この辺は元インフラSEのペガサスにお任せください!
また、設定に自信がない方やご不明なときもペガサスまでご連絡くださいね♪
7.まとめ:二重ルーターは「ネットワークを分ける」だけじゃない!ルーター自体の音も聴いてほしい
二重ルーターの基本は、家庭用ルーターの下にオーディオ用ルーターを追加して、NAS、Roon Server、ネットワークプレーヤーなど音楽再生に使う機器を家庭用ネットワークから分けることです。家庭内の色々な通信から回り込む電気的なノイズをできるだけ減らす。ペガサスはそこに大きな意味があると考えています。
そしてオーディオ用ルーターは、どれを使っても同じ音になるわけではありません。DATA ISO BOXは二重ルーターを比較的導入しやすい価格で試すことができ、シナジールーターは音の厚みや密度、有機的な表現が強く、NET SILENTは電源やクロック、グランド処理まで徹底することでS/N、空間表現、音像の立体感を追い込んでいます。
二重ルーターにすることだけが目的じゃない!せっかくオーディオ専用のネットワークを作るなら、使うルーター自体の音も比較して選んでほしいんです。
「ビットパーフェクトなら全部同じでしょ?」という方や考え方も全然ありだと思いますよ。でも、ペガサスも理屈を否定しているわけではありませんし、むしろそういう疑問がある方にこそ、家庭用ルーターだけの状態と二重ルーターを同じシステムで比較してほしい。そこで音が変わると感じるのか、必要ないと感じるのかは、最後に自分の耳で決めればいいと思っています!
ネットワークオーディオ、まだまだ試したいことだらけです!!!











