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【OTAIAUDIOリクトの音観録 #20】“良い音”って、結局なんだ?

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OTAIAUDIOリクトの音観録 #20

“良い音”って、結局なんだ?

 

皆様こんにちは!オタイオーディオのリクトです。

この音観録シリーズ、今回で20本目となりました!いつもご覧いただいている皆様、本当にありがとうございます泣

最初の方はひたすら気になるオーディオ機器を紹介していましたが、いつの間にかアナログ中心のシリーズに…笑

今はアナログ関連が多いですが、全く関係ない内容も執筆したいと思っているので是非お楽しみにしていただけたらと!なんなら、「こんな記事が読みたい!」があればどしどしお送りください!是非執筆させてもらいます☆

 

さて!それでは本題へ…今回は記念すべき(?)20本目ですし、アナログからは離れた内容を!

(まあ、思考的な話で言うとアナログなのかもしれませんが…笑笑)

 

この業界で、このオーディオの仕事をしていると本当によく出てくる言葉があります。

「う〜ん、『良い音』ですねェ…。」

そうですね〜、良いですね〜〜。…..と、会話は続くわけなんですが、

“良い音”って、一体なんだ?

低音がガンガン出る音?

細かい音まで聞こえる音?

高い機材から出る音?

ライブ会場のような音?

原音に忠実な音?

考え始めると、意外と難しいんですよね。

そしてオーディオを始めたばかりの方ほど、

「良い音が分かる耳にならないといけない」

と思ってしまうことがあります。(現に、オーディオ歴2年目の僕が今この状態です笑)

今回は少し機材から離れて、そもそも僕たちが言っている“良い音”とは何なのか?を一緒に考えてみたいと思います!

執筆:OTAIAUDIO 野村 陸斗

「良い音」は、1種類ではないのでは?

僕は、良い音には大きく分けて2つの要素があると思っています。

01
音としての基本性能
ノイズが少ない、音程が安定している、音が極端に偏っていない、細かな音が潰れていない……など。
02
その人が「好き」と感じる音
低音が豊かな方が好き、柔らかい音が好き、輪郭のはっきりした音が好き……など。

僕は、この2つが重なったところに、

「自分にとっての良い音」があるんじゃないかなぁ、と思っています。

この記事で考えてみたいこと

01:「良い音」と「好きな音」は違う?
02:低音が多い=良い音?
03:細かい音が聞こえる=良い音?
04:僕が試聴するときに聴いているところ
05:実は「部屋」でも音は大きく変わる
06:高い機材なら必ず良い音?
07:自分の「良い音」を見つける方法
08:結局、一番大事なのは?

01
GOOD OR LIKE?

「良い音」と「好きな音」は、ちょっと違う。

例えば、ものすごく正確に録音の情報を出してくれるスピーカーがあったとします。

音程も正確。左右の位置も分かりやすい。細かなノイズまで全部聞こえる。

測定すれば非常に優秀かもしれません。

でも、その音を聴いた人が、

「なんか疲れるな……」

と思うこともあります。

余談ですが、先日、ペアで400万円ほどする某ブランドのモニタースピーカーをお客様宅へ納品しまして、特に激しい設置などはなかったので運動量的には疲れないはずなのですが…帰社したらドッと疲れが。あまりにも解像度が良すぎて脳が疲れたのでしょう。

逆に、少し柔らかくて、低音がふっくらしていて、

「測定上は完全にフラットじゃないかもしれないけど、ずっと聴いていたくなる」

という音もあります。ジャズ喫茶なんか、そういうところが多いイメージです。

オーディオって、「正しい音」と「好きな音」が必ずしも100%同じではないんです。

オーディオにおいて、ここが面白いところの一つだと思います。

02
BALANCE

低音がいっぱい出れば、良い音?

初めてスピーカーを聴き比べると、低音が強く出る方が迫力を感じやすいです。

「おお!こっちの方がすごい!」

となりやすいんですよね。迫力ある=良い音と。

でも、少し長く聴いてみると、

ベースだけが大きすぎる。

ボーカルが引っ込んで聞こえる。

キックの音が全部同じように聞こえる。

なんてこともあります。

僕が大事だと思うのは、

低音・中音・高音のどこかだけが目立つのではなく、全部が自然につながっていること。

なんかすごくわかりやすい画像をAIに生成してもらいました。こういうことです。「量」よりもバランスだと思います。このバランス感が、それぞれのメーカーによって味付けが違うので、またこれが面白いんですよね〜〜。

03
DETAIL

細かい音がいっぱい聞こえれば、良い音?

これもオーディオではよく聞く話です。

例えば今まで気づかなかった、

ボーカルの息遣い。ギターの弦へ指が触れる音。スタジオの残響。ドラムの後ろで小さく鳴っているパーカッション。

こういった音が聞こえると、

「お!情報量すごい!」

となります。

もちろん、これはとても良いことです。

でも僕は、細かい音が聞こえること自体より、

細かい音が聞こえるのに、ちゃんと「一曲の音楽」としてまとまって聞こえること。

こっちの方が大事だと思っています。

細かい音が出てるだけで、音をバラバラに分析しているだけになってしまったら、音楽を楽しむという本来の目的から少し離れてしまいますよね。(とは言えど、そのレベルの細かい音まで聞こえるような製品は、そもそもまとまり感も素晴らしく作られていることが多いので、言うことなしですが。笑)

04
LISTENING POINT

僕が試聴するときに、ざっくり聴いている5つ

「何を、どこを聴けばいいか分からない」という方は、まずこのあたりから意識すると分かりやすいかもです。

① 音のバランス
低音だけ、高音だけが強くなりすぎていないか。ボーカルが自然に聞こえるか。
② 音色
ピアノがピアノらしいか。声が人の声として自然に感じられるか。
③ 音の位置・空間表現
ボーカルが真ん中にいるか、ギターやドラムがどこにいるのか見えるか、リバーブなどによる奥行きが感じられるか。(左右の位置関係等は録音によるが…)
④ それぞれの音の輪郭
ここは少し難しいところですが、キックの輪郭であったり、ボーカルの口の形(大きさ)であったり…要するにリアリティ的な部分。情報量が売りの機材なんかはこういったところを注視します。
⑤ 長時間聴きたいと思えるか
大事。結構大事。

なんやかんや言及しましたが、結局、「もっとこのまま聴いていたいか」。僕は結構ここを大事にしています。

結局、”良い音”って「試聴を続けたくなる音」なのかもしれませんね。

聴き比べる時、「音量」にはかなり注意。

これは機材を比較する時にすごく大事です。

人間の耳は、少し音が大きいだけでも、迫力がある・細かい音が聞こえる・低音が出ている。

と感じやすくなります。

なのでAとBを比較するとき、

できるだけ同じくらいの音量で聴き比べる。

これだけでも印象がかなり変わります。

「大きい音=良い音」にならないようにしたいですね。

05
ROOM

実は「良い音」を決めているのは、機材だけじゃない?

100万円のスピーカーを買えば、どこへ置いても100万円の音がする。

……というわけではありません。

音はスピーカーから出たあと、床・壁・天井・家具と、いろいろな場所で反射してから耳へ届きます。

だから、スピーカーを20cm動かしただけで低音の量が変わったり、

少し内側へ向けただけでボーカルの位置がはっきりしたりします。

こちらもAIにお願いしたらわっかりやすい画像を。便利です。便利すぎます。

「機材を変える前に、置き方を変えた方が音が良くなった」

なんてことも普通にあります。セッティングの重要性…!

06

じゃあ、高い機材なら絶対に良い音なの?

高価格なオーディオ機器には、ちゃんと高くなる理由があります。

振動を抑える、ノイズを減らす、回転精度を上げる、より優れた部品を使う、筐体を強くする。

そうした積み重ねによって、今まで聞こえにくかった情報をより正確に再生できる可能性は高くなります。

でも、

値段が10倍になったら、自分の「好き」が10倍になるとは限りません。

ここはオーディオの難しくも面白いところ。

50万円のスピーカーより、20万円のスピーカーの方が自分は好きだった。

なんてことも全然あり得ます。だからこそ、試聴って大事なんですよね。

07
FIND YOUR SOUND

自分の「良い音」を見つける、一番簡単な方法。

これはシンプルです。

自分がよく知っている曲を、
いろいろな環境で聴いてみる。

試聴用だからといって、難しいジャズやクラシックを用意する必要はありません。

普段から100回聴いている曲の方が、違いは分かりやすいです。

例えば、

ボーカル
声が近い方が好き?少し奥にいる方が好き?
ベース
量が欲しい?それとも輪郭が見える方が好き?
高音
キラッとした方が好き?柔らかい方が好き?
空間
音が目の前に来る方が好き?奥行きを感じたい?

こうやって、「自分はこっちが好きなんだ」を少しずつ集めていく。

良い耳になるというより、「自分の好みが分かる耳になる」という方が近いかもしれません。

 

 

という事で、オーディオ店員である僕が普段から使っている試聴曲を数曲ご紹介!

Yosi Horikawa / Wandering(放浪)

この曲は、空間表現や定位、低域の出方がとても分かりやすいのでよく使っています。

あたかも森の中にいるような包まれ方、かつそこから出てくる勢いのあるキック。鳥の鳴き声の実在感、ベースの深い低域がどこまで出てくれるのか、かなり面白い曲なので是非聴いてみてください。

Spotify

Apple Music

Joe Satriani / Rubina

キック、ハイハット、メロディがそれぞれ分かりやすく配置されていて、音色・強弱がハッキリとわかります。オーディオの観点で聴くにはとても分かりやすい曲かなと思います。こちらも是非。

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Apple Music

corto.alto & Vector / GO

僕がDJでもたまに使うcorto.altoより、”GO”。

すみません、この曲はただ単にめっちゃ好きなのでよく使ってます笑

この曲、MIXの手法がかなり特殊で、それぞれの楽器が左右に配置され、ボーカルが真ん中にぽっかりと存在する、という……ん〜、説明すると難しいのでとりあえず聴いてください。カッコいいんで!!!

Spotify

Apple Music

スペックは大事。でも、最後は耳で決めていい!!

オーディオにはたくさんの数字があります。

周波数特性、出力、S/N比、ワウ・フラッター、歪率、能率。

もちろん全部、製品を理解するために大切です。

でも、

スペック表を見て感動するために、オーディオを買うわけではありません。

好きな曲を聴くためですよね!?

数字はあくまでも候補を絞る材料。最後は実際の音を楽しめるかどうかで決めていいと思います。

08
FINAL ANSWER

結局、一番大事なのは?

ここまで、

バランス、音色、定位、情報量、部屋…。

いろいろ話してきました。

でもすみません、最後はものすごくシンプルだと思います。

その音で、
好きな音楽をもっと聴きたくなるか。

いつも聴いているアルバムなのに、

「もう一回聴こうかな」

と思える。

今まであまり聴かなかったレコードまで棚から出したくなる。

曲を飛ばさず最後まで聴いてしまう。

そういう音が、

その人にとって一番の「良い音」なんじゃないでしょうか!!!

まとめ:「良い音」を誰かに決めてもらわなくていい。

オーディオを始めると、

レビューやら価格、スペック、ブランド。

いろいろな情報が入ってきます。

もちろん、それらも選ぶ上では大切です。

でも、

誰かが100点と言った音が、
自分にも100点とは限らない。ですよね。

逆に、世間では入門機・エントリークラスと呼ばれているシステムでも、

自分が毎日楽しく音楽を聴けているなら、それは十分に『良い音』だと思います。

”良い音”を探すということは、結局「自分が音楽をどう聴きたいか」を探すことなのかもしれません。

そう考えると、オーディオ選びもちょっぴり気楽になりませんか?

正解を当てるのではなく、自分の好きな音を見つけていきましょ〜!

前回の音観録はこちら!

小さな部屋でレコードを楽しむなら、どんな機材がいい?

限られたスペースでも、機材数とスピーカーの選び方を工夫してレコードを楽しむ方法を紹介しています。

音観録 #19を読む

「自分の好きな音がまだ分からねえ」でも大丈夫です!

例えば、

「今よりボーカルを綺麗に聴きたい」

「低音は欲しいけど、ボンボンするのは嫌」

「長時間聴いても疲れない音がいい」

「ジャズを気持ちよく聴きたい」

「今のシステムの何が不満なのか自分でも分からない」

こんな伝え方で十分です!
好きな音楽や現在お使いの機材を聞きながら、一緒に方向性を探していきましょう。

OTAI AUDIOに相談する

「良い音」が分からなくても、音楽が好きなら大丈夫!

オーディオショップで試聴して、

「どうですか?音場が広がりましたよね?」

と言われても、

「……よく分からない。」

全っ然大丈夫です!

最初から専門用語で違いを説明できる必要なんてありません。

ただ、

「こっちの方が好き」「こっちの方がずっと聴いていたい」

その感覚が分かれば十分です。

そこから少しずつ、「あ、自分はこういう音が好きなんだ」と分かってきます。

それこそがオーディオの面白いところだと思います!

 

それでは、最後までご精読ありがとうございました!
また次回の音観録でお会いしましょう!!

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