ターンテーブルのように回るDJコントローラー、結局どれがいい?
DDJ-REV7 / RANE ONE MKII / Hercules Inpulse T7 / Hercules T10
スクラッチDJを始めたい!でも、ターンテーブル2台とDJミキサーをそろえるのは予算的にもスペース的にも大変……。
そんな方にぜひ注目していただきたいのが、プラッターが実際に回転するDJコントローラーです!
普通のDJコントローラーは、止まっているジョグホイールを手で動かして操作します。一方、今回紹介する4機種はモーターによってプラッターが回転。回っているディスクを押さえて止めたり、前後に動かしてスクラッチしたりと、アナログターンテーブルに近い感覚でDJができます。
今回はOTAIRECORDで取り扱っている4機種を比較します。どれも魅力的なモデルですが、実はプラッターの大きさ、スクラッチの操作感、フェーダー、エフェクト、対応ソフトにかなり違いがあります。
高価なモデルがすべての方にとって正解というわけではありません。これからスクラッチを練習したいのか、現場で使いたいのか、ターンテーブルの感覚にとことんこだわりたいのか。自分に合う1台を探してみてください!
4機種の性能を比較!何が違う?
まずは主な違いを一覧でチェックしてみましょう。
※Hercules Inpulse T7は通常モデル、RANE ONEは新型のMKIIで比較しています。
| 比較項目 |
DDJ-REV7 |
RANE ONE MKII |
| 回転ディスク |
7インチクラス |
7.2インチ |
| DJソフト |
Serato DJ Pro / rekordbox |
Serato DJ Pro |
| クロスフェーダー |
MAGVEL FADER PRO |
MAG FOUR |
| 特徴的な機能 |
ジョグ内ディスプレイ、インスタントスクラッチ、ハードウェアFX |
豊富なStems操作、29種類の内蔵FX、調整式フェーダー |
| PC接続 |
USB Type-B ×2 |
USB Type-B ×2 |
| 重量 |
約10.7kg |
約11.14kg |
| 比較項目 |
Hercules T7 |
Hercules T10 |
| 回転ディスク |
7インチ |
10インチ |
| DJソフト |
Serato DJ Lite / DJUCED Proへアップグレード可能 |
Serato DJ Pro / DJUCED PRO |
| クロスフェーダー |
標準クロスフェーダー |
非接触InduXfader |
| 特徴的な機能 |
ビートマッチ練習機能、着脱式バイナル、格納式脚部 |
大口径プラッター、Stem Slip、FXパドル |
| PC接続 |
USB接続 ×1 |
USB-C ×2 |
| 重量 |
約5kg |
約7.3kg |
こうして比較すると、同じ回転プラッター搭載モデルでも個性がはっきり分かれています。
DDJ-REV7とRANE ONE MKIIは、現場でのDJプレイやスクラッチを幅広くこなしたい方に。Hercules Inpulse T7は、これから回転プラッターの操作に慣れていきたい方に。そしてT10は、大きなディスクでスクラッチを楽しみたい方に注目していただきたいモデルです。
DDJ-REV7|現場で使える完成度とスクラッチ機能
Pioneer DJ DDJ-REV7
まずご紹介するのはPioneer DJのDDJ-REV7。
このモデルの魅力は、ターンテーブルとバトルDJミキサーを組み合わせたようなレイアウトです。
一般的なDJコントローラーとは異なり、テンポフェーダーがデッキの上側に横向きに配置されています。これはターンテーブルを縦置きにしてスクラッチするバトルDJスタイルを意識した設計です。
プラッター中央にディスプレイを搭載
DDJ-REV7のプラッター中央にはON JOG DISPLAYを搭載。再生位置や楽曲の情報をプラッター上で確認できます。
回転ディスクを操作しながら再生位置をチェックできるので、パソコン画面に視線を移す回数を減らせます。
MAGVEL FADER PROとインスタントスクラッチ
スクラッチ用のMAGVEL FADER PROを搭載。フェーダーの感触を調整でき、細かいカットを多用するプレイにも対応します。
さらに特徴的なのがインスタントスクラッチ。あらかじめ用意されたスクラッチ音を使える機能で、通常の楽曲を使ったDJプレイとは別に、スクラッチのフレーズを加えられます。
また、22種類の内蔵BEAT FXと、レバー操作のエフェクトも搭載。スクラッチだけでなく、ミックス中の音の変化も本体から操作できます。
2台のパソコンをつなげる
USB端子を2基搭載しているため、2台のパソコンを接続できます。イベントでDJが交代するときにも、パソコンのUSBケーブルを毎回抜き差しする必要がありません。
PHONO/LINE入力も備えているので、ターンテーブルやCDJを外部機器として接続できるのも魅力です。
DDJ-REV7のメリット
- バトルDJ向けレイアウトでスクラッチしやすい
- 中央ディスプレイで再生位置を確認できる
- 内蔵FXやインスタントスクラッチが充実
- USB2基、外部入力など現場向けの接続性
- Serato DJ Proとrekordboxに対応
気になる点・デメリット
- 価格帯が高く、初めての1台としては予算が必要
- 10kgを超えるため持ち運びにはケースが欲しい
- アナログレコードを直接操作する方式ではなく、専用の回転ジョグを操作する方式
- 機能が多く、すべて使いこなすには慣れが必要
スクラッチを中心に、イベント出演やDJ交代まで考えている方にはDDJ-REV7がおすすめです。スクラッチと通常のDJミックスを1台で幅広く楽しめます。
RANE ONE MKII|Stemsとフェーダー操作を極めたいなら
RANE ONE MKII
続いてはRANE ONE MKII。
RANEといえばスクラッチDJ向けのミキサーでおなじみのメーカー。そのRANEが作るモーター駆動DJコントローラーです。
前モデルのRANE ONEから大きく進化したのが、Stems操作と本体エフェクトの充実ぶりです。
7.2インチディスクでスクラッチ
左右に7.2インチのコントロールディスクを搭載。モーターで回転するディスクを直接操作することで、レコードに近い感覚でスクラッチできます。
背面にはLOW/HIGHのトルク切替スイッチも用意されています。さらに付属のワッシャーを使うことで、ディスクとスリップマットの摩擦を調整できます。
スクラッチの操作感に合わせて、自分好みの設定を作り込めるのがうれしいところです。
MAG FOURとPRECISION FEELフェーダー
クロスフェーダーにはMAG FOURを採用。テンション、カーブ、リバースを調整でき、切れのよいスクラッチ操作に対応します。
さらに、左右のチャンネルフェーダーにはPRECISION FEELフェーダーを搭載。こちらもテンションやカーブを調整できます。
クロスフェーダーだけでなく、チャンネルフェーダーまで自分の操作に合わせたい方には魅力的な仕様です。
Stemsを活用した新しいDJプレイ
RANE ONE MKIIで特に注目してほしいのがStemsです。
Serato DJ ProのStemsを使えば、楽曲のボーカル、ドラム、ベース、メロディーなどを分離して操作できます。
ONE MKIIにはアカペラ・インストゥルメンタルの専用操作や、Stem Roll、Stem FXなどのパッドモードが搭載されています。
例えば、曲のボーカルだけを残して別の曲のビートを重ねる。ドラムだけにロールをかける。こうしたプレイを本体の操作で行えます。
また、29種類の内蔵エフェクトを搭載。Fader FXではチャンネルフェーダーを使って音の変化をコントロールすることもできます。
RANE ONE MKIIのメリット
- 7.2インチの回転ディスクとトルク調整
- MAG FOURクロスフェーダー搭載
- チャンネルフェーダーのテンションも調整可能
- Stems関連の専用操作が豊富
- 29種類の内蔵エフェクトとFader FX
- 外部PHONO/LINE入力、PC2台接続に対応
気になる点・デメリット
- 約11.14kgと4機種の中でも重量がある
- 主要なDJソフトはSerato DJ Proが中心
- StemsやFXを活用しない場合は機能を持て余す可能性がある
- プラッター中央に楽曲波形を表示するタイプではない
従来のスクラッチに加えて、Stemsを使ったリミックスやエフェクトを積極的に使いたいならRANE ONE MKII。ミキサー操作へのこだわりがある方にもぜひ候補に入れてほしい1台です。
Hercules DJControl Inpulse T7|これからスクラッチを始めるなら
Hercules DJControl Inpulse T7(通常モデル)
回転プラッター搭載のDJコントローラーに興味があるけれど、いきなり高価なモデルを買うのはちょっと……。
そんな方におすすめしたいのが、Hercules DJControl Inpulse T7です。
このモデルは、アナログターンテーブルに近い操作を、これから練習していきたい方にぴったりの構成になっています。
7インチの本物のバイナルを使った操作
左右に7インチのモーター駆動プラッターを搭載。実際のバイナルディスクとスリップマットを使い、手でディスクを押さえてスクラッチできます。
モーターの回転を利用するので、スクラッチだけでなく、手でピッチを合わせる操作やレコードを止める感覚も練習できます。
DJの基礎を学べる機能
Inpulseシリーズらしく、初心者向けのビートマッチ練習機能を搭載しています。
デッキのガイドを使いながらテンポと拍を合わせる練習ができるので、最初から画面上の波形だけに頼らずDJの基本操作を覚えていけます。
さらに、付属するSerato DJ LiteやDJUCEDを使ってDJを始められます。
約5kgで持ち運びやすい
約5kgという重量も魅力です。10kg前後あるDDJ-REV7やRANE ONE MKIIと比べると軽量で、自宅以外の場所に持っていく際の負担を抑えられます。
本体の格納式脚部を使えば、設置時に本体の高さを変えることもできます。
Inpulse T7のメリット
- 7インチのバイナルで回転プラッターDJを練習できる
- 上位モデルと比べて導入費用を抑えやすい
- ビートマッチガイドなど初心者向け機能がある
- Serato DJ LiteとDJUCEDが使える
- 約5kgで比較的軽量
気になる点・デメリット
- Serato DJ Proを使用するには別途アップグレードが必要
- 上位モデルのような高性能クロスフェーダーは標準搭載していない
- PC2台接続によるDJ交代には対応していない
- 上位モデルより外部入力やエフェクトの操作機能が限られる
Inpulse T7は、これからターンテーブルの操作を覚えたい方におすすめです。
最初から高度なStems操作やエフェクトにこだわらず、まずは回転するディスクでスクラッチを楽しみたい。そんな方には十分魅力的なモデルです。
Hercules DJControl T10|10インチの迫力!スクラッチ操作を追求
Hercules DJControl T10
そして今回の4機種の中でも、プラッターの大きさで際立っているのがHercules DJControl T10です。
なんと左右に10インチのモーター駆動プラッターを搭載しています。
7インチクラスの3機種とは操作するディスクの大きさが異なり、レコードを手で大きく動かすスクラッチやバックスピンにも、より広い操作面を使えます。
Dr. Suzukiのスリップマットを採用
T10にはDr. Suzukiのスリップマットとスリップシートが付属しています。
スクラッチをする際には、プラッターとレコードの間でどれだけスムーズに滑るかが大切です。スリップマットやシートの組み合わせは、この操作感に直接関わります。
ディスクの大きさだけでなく、回転しているプラッターの上でバイナルを動かす仕組みにもこだわっています。
非接触InduXfaderを搭載
T10はクロスフェーダーにも注目です。
電磁誘導方式の非接触クロスフェーダー「InduXfader」を搭載。フロントパネルから重さ、カーブ、カットラグ、リバースを調整できます。
カットラグはフェーダーを端から動かした際、音が出始めるまでの操作幅に関わる設定です。細かいスクラッチを練習するときには、自分の指の動きに合う設定へ調整できるのがうれしいですね。
Stem SlipやUSB-C×2も搭載
T10は大きなプラッターだけのモデルではありません。
SeratoのStem Slipに対応し、ボーカルやインストゥルメンタルを使ったパフォーマンスができます。Stems専用ボタンやFXパドルも搭載しているので、スクラッチと楽曲の分離・エフェクトを組み合わせたプレイも楽しめます。
さらにUSB-C端子を2基搭載しており、2台のパソコンをつないだDJ交代にも対応します。
マスターXLR出力に加えてバランスのブース出力も備え、イベント会場などでの接続も考えられています。
大きいのに約7.3kg
プラッターは10インチですが、重量は約7.3kg。DDJ-REV7やRANE ONE MKIIより軽量です。
ただし横幅は約95cmあるため、持ち運ぶバッグやDJブースのスペースには注意してください。
DJControl T10のメリット
- 今回唯一の10インチモーター駆動プラッター
- Dr. Suzukiスリップマット・シートが付属
- 非接触InduXfaderを細かく調整可能
- Stem SlipやStems専用ボタンを搭載
- Serato DJ Pro、DJUCED PROに対応
- USB-C×2、XLRマスター、バランスブース出力を搭載
気になる点・デメリット
- 横幅約95cmで設置スペースが必要
- 10インチでも一般的な12インチレコードと同じ大きさではない
- PHONO入力を使ったアナログターンテーブルの接続を主目的とするモデルではない
- 小さなディスクの操作に慣れている方には操作距離が変わる
大きなディスクでスクラッチしたい!レコードの操作感にこだわりたい!という方にはT10をおすすめします。
7インチクラスから一歩踏み込んで、10インチならではの操作を楽しめるのがこのモデルの魅力です。
スクラッチの操作感は何が違う?
今回の4機種で、ぜひ注目していただきたいのがプラッターのサイズと構造です。
DDJ-REV7は専用の回転ジョグと中央ディスプレイを組み合わせた構造。RANE ONE MKIIは7.2インチのコントロールディスクを使います。
Inpulse T7は7インチのバイナルを使用し、T10はさらに大きな10インチのバイナルを使用します。
T10の前面・背面。大きなプラッターを備えながら、格納式の脚部も採用しています。
ディスクが大きいほどスクラッチしやすい?
必ずしもそうとは限りません。
大きなディスクは外周を持ったときの手の移動距離が長くなり、レコードを大きく前後に動かす操作ができます。一方、小さなディスクは手を動かす範囲を抑えた操作ができます。
また、スクラッチではディスクだけでなく、クロスフェーダーの切れ方や位置も重要です。
細かいカットを繰り返したいならフェーダー性能にも注目。DDJ-REV7のMAGVEL FADER PRO、RANE ONE MKIIのMAG FOUR、T10のInduXfaderは、いずれもスクラッチを意識した調整機能を備えています。
Inpulse T7でもスクラッチはできますが、フェーダーの調整幅という点では上位3機種が魅力的です。
Serato DJ Pro・Stems・DJソフトの違い
購入するときにぜひ確認しておいてほしいのが、付属するDJソフトとその機能です。
Serato DJ LiteとProは何が違う?
Serato DJ Liteは、DJを始めるための基本操作を備えた無料ソフトです。2デッキを使ったミックスや基本的なスクラッチを練習できます。
一方、Serato DJ Proではさらに多くのパフォーマンス機能やカスタマイズ機能を使えます。
DDJ-REV7、RANE ONE MKII、T10はSerato DJ Proを追加購入せずに利用できますが、Inpulse T7の標準付属はSerato DJ Liteです。Proの機能が必要になった場合は別途アップグレードすることになります。
Stemsでできること
Stemsは楽曲をボーカル、ドラム、ベース、メロディーといったパートに分けて扱う機能です。
例えば、再生中の曲からボーカルだけを取り出して別のビートに重ねたり、ドラムだけを消して違う曲へつないだりできます。
今回の4機種はいずれも、対応ソフトウェアを使うことでStemsを活用できます。ただし、操作方法はモデルによって異なります。
- DDJ-REV7:Serato Stemsに対応。エフェクトやスクラッチとの組み合わせを楽しめます。
- RANE ONE MKII:専用操作、Stem FX、Stem Roll、Stem Levelなどが充実。
- Inpulse T7:Serato DJ Liteでも対応するStems機能を利用可能。上位の操作機能には制限があります。
- DJControl T10:Stems専用ボタンやStem Slipを使ったパフォーマンスに対応。
※Stemsの動作や利用可能な機能は、DJソフトのバージョン、音源の種類、各サービスの対応状況によって異なります。
結局どれがおすすめ?用途別の選び方
ここまでの内容を踏まえて、どんな使い方をしたい方におすすめかをまとめてみました。
現場でのDJプレイ・スクラッチを幅広くこなしたい
DDJ-REV7
ジョグ中央のディスプレイ、インスタントスクラッチ、豊富な内蔵FX、外部入力、2台のPC接続など、DJプレイに必要な機能をまとめて使いたい方におすすめ。
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スクラッチとStemsを組み合わせて遊びたい
RANE ONE MKII
MAG FOUR、調整できるチャンネルフェーダー、多彩なStems機能や内蔵FXを活用したい方におすすめ。細かいミキサー操作を大切にしたい方にも向いています。
RANE ONE MKIIの商品ページはこちら
これから回転プラッターDJを始めたい
Hercules Inpulse T7
ビートマッチの練習機能や無料のDJソフトを使い、スクラッチの基礎から覚えたい方におすすめ。上位モデルほどの機能が必要ない方にも選びやすいモデルです。
Inpulse T7の商品ページはこちら
大きなディスクでターンテーブル感覚を追求したい
Hercules DJControl T10
10インチの回転ディスク、スリップマット、非接触フェーダーにこだわりたい方におすすめ。大きなディスクを使ったスクラッチと、Stemsを組み合わせたプレイを楽しめます。
DJControl T10の商品ページはこちら
購入前に確認したいこと
今回紹介した4機種は、いずれもパソコン上のDJソフトと組み合わせて使用するDJコントローラーです。
機材本体だけで、USBメモリに入れた曲を読み込んでDJができるスタンドアローン型ではありません。
DJを始める際には、対応するパソコンとDJソフト、楽曲、ヘッドホンが必要です。自宅で音を出す場合は、接続に合ったスピーカーも用意してください。
また、回転プラッター搭載モデルは、通常のDJコントローラーと比べてサイズや重量が大きくなりやすいので、設置スペースや運搬方法も確認しておきたいところです。
スクラッチの練習が中心なのか、イベントでも使いたいのか、Stemsを活用したいのか。何を一番楽しみたいかで、おすすめの機種も変わります。
OTAIRECORDでは、それぞれの商品ページに詳しい機能紹介やセット商品もご用意しています。気になるモデルが見つかったら、ぜひチェックしてみてください!
※製品仕様・対応ソフトウェアは更新される場合があります。価格・在庫・セット内容は各商品ページでご確認ください。