OTAIAUDIOのブログ

コンパクトスピーカー比較試聴してみました。

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最近コンパクトスピーカーのお問い合わせが増えております。

車でも何でも最近コンパクトなものの需要がどんどん上がっています。
もともと日本では海外に比べて平均居住面積は圧倒的に少ないので、もともとの素地があったとは思うのですが、良いか悪いかの議論は置いておいて、あらゆるものがコンパクト化していっています。
パソコンなんかも良い例です。パソコンも昨今では昨年対比で30%位売り上げが下がっているようですが、その大きな原因として、スマートフォンの普及があげられます。
ご存知の方がほとんどだと思いますが、今のスマホの実力は数年前のパソコンをしのぐほどで、パソコンがなくてもそこまで生活には困らない、という訳です。

オーディオ機器に目を向けてもアンプなんかもD級を使用した物などはコンパクトなものが多く、またネットワークプレーヤーにおいてはCDやアナログなどの物理的な制約をあまり受けないので、圧倒的にコンパクトにすることが可能になっています。

そんな中でスピーカーもコンパクトなものが多数出ており、オーディオ業界の枠を外して考えると、パソコン用のスピーカーなんかは本当に小さいですし、アンプ内蔵型のアクティブスピーカーを採用し圧倒的な省スペースを実現しています。

くれぐれも誤解がないように申し上げたいのは、オーディオ機器のコンパクト化に関しては、趣味のオーディオをベースに語るとたくさんデメリットもございますし、OTAIAUDIOとしてももろ手をあげて礼賛しているという訳ではありません。やはりまだまだアナログ的なパーツは大きさや重さがものをいうパターンも絶対的にありますし、それでしかなしえないことがあるのは私がここで申し上げなくとも皆様ご存じなのかもしれません。ただ、世間的な流れ、もしくはライフスタイルに溶け込む音楽を考えた時にコンパクトスピーカーというジャンルは確実にこれからも需要があるし進化していくのだろうと思います。

 

ひょんなことからお客様と盛り上がってコンパクトスピーカーの比較試聴を行う事になりました。

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このブログでも紹介したように先日DALIのLEKTOR1がUSEDで入荷しました。
ブログで皆様にご紹介しようと思い試聴を行いましたところ、素晴らしい実力を持っていて、小型とは思えな位表現が豊かで、自分の中で内心再評価をしていました。
そんなこんなでLEKTOR1をご紹介させてもらったところ、大変な反響を頂き、その中のお客様の一人に自宅のコンパクトスピーカーのtangent EVO E4と比較試聴をしたいというお客様がご来店されました。
折角ですから、これまた先日入荷したWharfedaleのDIAMOND 210も含めたどれも非常にコンパクトなスピーカーの三つ巴で、ちゃんと聴いてみようという事になりました。

前述したようにコンパクトスピーカーのお問い合わせも増えていることだし、ちょっと記録に残せれば、という程度ではあるのですが、お客様に了解を得て、実際に試聴しながら、レビューを書きたいと思います。

 

ポイントは,コンパクトスピーカーに対して趣味のオーディオとしてどこまで本気で向き合えるのか?

文字どおりなのですがコンパクトスピーカーは、小さくて、値段も安価です。

だから、趣味のオーディオとしてどこまでちゃんと向き合えるのだろうという事をまず検証したいなと思いました。

要するに、皆さんコンパクトなスピーカーだから、音はまあ適当で良いとか、そこまで期待できないけど、とか、遊び程度で、とかそういう文脈になりがちだと思うのです。
勿論方や数十万、数100万というスピーカーも沢山出ておりますので、金額ベースで申し上げたら2,3万で手に入るスピーカーは、遊び程度のプロダクト、と思う方がいても不思議ではありません。

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そこで、最高の舞台を用意してやろう、、という事で、通常はYAMAHAのプリメインアンプA-S2100、をつかって鳴らしていますが、あえて100万円クラスのMcIntoshのプリメインアンプ、MA7900(基準売価980,000円程度)でプレイするという、いささか過激なバランスにて、実験をすることにしました。

なおCDプレーヤーはそのままで、YAMAHAのCDプレーヤー人気機種であるCD-S2100を使用しました。
何故そのような高級機を持ってきたかというのは、改めてですが、これくらいのクラスのスピーカーにアンプはどこまでお金をかけていいのか、またそれを生かしきる表現をしてくれるのかという事を確認したかったからです。勿論良い信号が送られれば出音が良いというのは自明の理ではあります。

しかしながら、あまりに鈍重だったり、表現力が乏しいスピーカーですと、まさに豚に真珠、という場合もございますので、そういった構成にあえてしてみた、ということです。

山本剛misty

試聴のソースは山本剛のMISTYをチョイス。これに関しては特に深い意味はありません。近くにあったからです。
と、いいながらも、山本剛の感情豊かなピアノタッチ、シンプルなピアノのみの音と音の隙間、そしてバックが入ってくるタイミングで現れる音場感などがどこまで表現できるのか、というところです。
高級機、中級機ではピアノ鍵盤の奥のハンマーアクションを想起させる深みを見せるこの盤を果たしてどこまで表現できるのか?楽しみではあります。

 

まずはtangentのEVO E4から聴いてみる。

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いきなりMcIntoshのMA7900をあてがわれて、tangent EVO E4もちょっと緊張するんじゃないかな、と思いながら試聴を開始。
tangentと言えば、OTAIAUDIOでは、数多く販売させてもらったEVO E4です。
今回の三つ巴の中では一番小さいサイズ。(335 x 268 x 232 mm)
第一印象、呆気に取られそうになったのは、tangentから発信された明るくて明快な世界観。このスピーカーってこんなに音の抜けが良く広がりが、あったのか?
お客様も私も心底びっくりしましたが、良く考えてみれば、McIntoshのMA7900のおかげでした。
いきなり印象が良すぎて、公平なジャッジという意味ではMA7000を持ってきたのは失敗でした。しかし、実際にはあり得ないですし、バランスが悪いので全くおすすめはしませんが、良い物は良いという事は少なくとも証明されました。コンパクトスピーカーでも、MA7000を入れた瞬間場の空気が変わりました。マッキンの良さを再確認しましたし、それを表現できているEVO E4。正直ちょっとなめてました。ごめんなさい。

EVO E4は、そういうわけで堂々としたなりっぷりでした。
サイズが小さいにもかかわらず、この筐体からどこにそんな表現力が隠されているのだろうというくらい音場も広いですし、ピアノの高域のアタック感にも苦しさを見せませんでした。
ただ、ソースの表現ができていたかというと、それは疑問です。おそらく山本剛が、マスタリングエンジニアと最終打ち合わせしてこの音が出てきたら、ちょっと前向きで明るすぎる、と感想を漏らすかもしれません。
良い意味でも悪い意味でもチャキチャキしている感じがしました。音楽を楽しく聴く分には本当に良いスピーカーだなと思いました。
しかし、メランコリックだったり陰鬱だったり、繊細な表現というところに関しては、ちょっと弱いのではないかと思いました。
しかしそれはあくまで比較的、という事であり、正直言ってまずは驚きと賛辞、というのが偽らざる感想です。
ただちょっと明るくオープンな感じが、暗いのが好きな私にはちょっと前向き過ぎて、というのはありました。好みの問題もあるという事ですね。
少なくとも音楽をハッピーに楽しく聴きたいという方で、コンパクトスピーカーをお探しならば強くお勧めできます。POPSやロックの表現力もかなりありそう。

 

DALI LEKTOR1を次に聴いてみた。

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筐体は小さくともしっかりDALIの世界観を持ったLEKTOR1はデザインからも如何にも良い音がしそうで好感が持てます。
外見重視の方にも強くお勧めできます。コンパクトでありながらも「自分、良い音出しまっせー」と語りかけてくるのですが、それが下品な感じでもない所が個人的にも大好きです。
DALIの代名詞となっているウッディコーンも当然LEKTOR1は装備しています。
もともとLEKTOR1は同じくDALIのZENSORシリーズの一つ上のモデルになりまして、定価で54,000円くらいです。
もっと上にメヌエットなんかもあるので、(本当はメヌエットも鳴らしたかった!)そこまでスポットライトを浴びまくるという存在ではないですが、こちらにも書きました通り、実はヨーロッパの主要オーディオ誌でも5つ星を獲得したほどの実力があります。私の中ではtangentは最低限超えてくるであろうという意識もありましたし、かなり期待して試聴に臨みました。

結果、LEKTOR1はdaliのテイストをしっかり受け継いだ妥協なきプロダクトでした。
とにかくピアノの陰影や細かい表現が高解像度という文脈とは別次元で、陰影の表現、ピアノの音と音の粒の間、とにかくアーティスティックです。
美しい優しい世界観に場の空気が変わった感じででした。コンパクトスピーカーの間違いなく課題である低域もそれなりの量感はありますし、やはdaliの世界は情報量とか、そういう言葉を陳腐にする何かを持っています。そしてそれがこのコンパクトモデルでも有されていることに感動しました。

それと同時に当然超えてくるであろうと先ほど申し上げたtangentですが、daliを聴いてから振り返ると、超えては来るとは思いますが、でもtangentにしか出ない音も確認できました。
あのチャキチャキしたわかりやすいサウンドはあれはあれで楽しく魅力的です。

奇しくもデンマーク対決となったこの比較でしたが、デンマークに一回は行かなきゃって思ってしまいました。

 

最後に最近OTAIAUDIOにはいってきたWharfedaleのDIAMOND 210を聴いてみる。

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ギルバート・A・ブリックスによって1932年、イギリス ヨークシャー州で設立された老舗ブランドWharfedaleのDIAMOND 210を聴いてみます。
このスピーカーは入荷のリクエストがありましたし、見るからにポイントを押さえた顔をしているし、価格も入門モデルとして悪くないので、DALIのZENSOR1などと選択肢を持っていただくためにOTAIAUDIOでも展示してあるのです。このスピーカーもまたコンパクトが売りなので、今回比較試聴をしてみることにしました。
価格の割に葉と言ったら怒られるかもしれませんが仕上げがキレイで高級感があって、これまた大変好感が持てます。
小さくてかわいいというよりは、小さくても高級感を身にまとった英国紳士というオーラを感じます。

音の方ですが、非常にバランスがコンパクトながら堂々した鳴りっぷりです。
レンジは若干狭く感じましたが、210のすごさは音のまとまりの良さです。

山本剛のMISTYは途中からバンドが入って音場が広がるのですが、それがだらしなくぼやーんという感じではなく、しっかりと音場を作ってくれます。

「あなたはもうあとスピーカーを人生で一回しか買ってはいけません。しかもこの3つで中で選びなさい。」

となんの脈絡のない質問を順守しないといけない立場になったら、私は210にすると思います。
非常にバランスが良く王道を感じるチューニングになっているし、変な癖もなく、長く付き合っていけるスピーカーだと思ったからです。
その落ち着いた、たたずまいはマッキンのMA7000をも乗りこなすという錯覚すら抱いてしまいます。

 

結論:コンパクトスピーカーでも各ブランドは本気で作っていた。
コンパクトだからって、適当に選ぶのではなくこだわって選びたい、その価値はある。

正直言って、ここまで明確に主張が違うとは思っていなかったので、コンパクトスピーカーとて、ブランドのポリシーをしっかり踏襲しているというのは、少なくともこの3つのブランドに関しては、本当にそう思ったし、メーカーの妥協しない視線に本当に感動しました。

コンパクトスピーカーでオーディオの世界に入門したり、セカンド機で考えられたり、PCの両サイドにちょこっと置いたりといういろんな状況があると思いますが、今回胸を張って言えるのは、コンパクトスピーカーでも方向性などで相当違うという事です。

比較的額が安価だから、まあこれにしちゃえば、という方もたまにおられますが、少なくとも今回の3つに関しては、試聴しないでノリで購入することを考えたらちょっとぞっとするくらい明確なメッセージがありました。

改めて、オーディオメーカーに対してリスペクトしたいし、我々もしっかりそのメッセージを受け取りつつオーディオを楽しみたいなと思いました。

 

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