【ペガサス田中のネットワークオーディオいじり #01】細っ!1m 8,800円!?TOP WINGのLANケーブル「Ultra Slim Link」を聴いたら想像以上に本格的だった!
1.ペガサス田中のネットワークオーディオいじり、始めます!
皆さんこんにちは!OTAI AUDIOのペガサス☆TANAKAです。
今回から新しく、「ペガサス田中のネットワークオーディオいじり」というシリーズを始めます!
私はネットワークオーディオが大好きなんですが、この世界ってネットワークプレーヤーやRoon ServerなどのPCだけじゃなくて、LANケーブル、ネットワークスイッチ、ルーター、光アイソレーター、SFP、アクセスポイントなど、触れるところが本当に沢山あります。しかも実際に交換してみると、同じシステムなのに音像の出方が変わったり、S/Nが変わったり、低域の出方が変わったりする。だったら実際に色々やってみようじゃないか!ということで、これから私が試したネットワークオーディオ製品を、音も構造も含めて書いていこうと思います。
ネットワークオーディオは、実際にいじって音がどう変わるのかを確かめるのが一番です!
第一回はTOP WINGのオーディオ用LANケーブル、「Ultra Slim Link」です。
TOP WINGのUltra Slim Linkの詳細はこちらから
2.まず現物を見て驚いた。兎に角細い!
これ、発売前に一足先に試聴させていただいて、SNSでも感想を書いた製品なんですが、最初に現物を見た時の感想は本当に単純でした。
なにこれ、細っ!!!www
外径はわずか2.9mmです。一般的なLANケーブルと比べてもかなり細い!いや、めちゃくちゃ細いですよ!
ましてや太くて重い製品も多いオーディオ用LANケーブルの中では、かなり特徴的な見た目です。
しかも価格が1mで税込8,800円、2mでも税込9,900円。現在は0.5m、5m、10mもラインナップされていて、10mでも税込19,800円です。
私はこれまで10万円、20万円クラスを含めて色々なオーディオ用LANケーブルを聴いてきましたので、この見た目と価格を見た時点では、そこまで凄い音を想像していませんでした。
細くて軽くて取り回しが良く「それなりに音質にも配慮したLANケーブルなんだろうな・・・」くらいに考えていたんです。
ところが実際に聴いてみると、その予想はいい意味で予想をかなり外れました。
3.解像度とS/Nがかなり高い。でも驚いたのはそこじゃない
最初に感じたのは、かなりアキュレートな音質です。解像度が高く、聴感上のS/Nも良い。音像の周囲が整理されて、楽器と楽器の間や、ボーカルと伴奏の間にある空間が見えやすくなります。
ただ単純に高域を強調して細かい音を目立たせるような方向ではなく、背景のザワつきが減って、それまで少し埋もれていた情報が自然に見えてくる印象なんです!
1m税込8,800円という価格を考えたら、この時点でも相当りクオリティーは高い。
でも、私がUltra Slim Linkで一番評価したのは解像度そのものではありません。高解像度を狙ったケーブルの中には、情報量や抜けが良くなる代わりに、音の厚みや低域の芯、音楽のダイナミクスが少し後退するものがあります。解像度は高いんだけど、全体が少し線の細い音になるタイプですね。
しかもUltra Slim Linkは見た目がこれだけ細いので、試聴前は私もその方向を少し警戒していました。
ところがUltra Slim Linkは、解像度が高いのに音の力感がかなりしっかり残るんです。
ここが良かった。素直にびっくり!
低域がスカスカにならず、音にちゃんと芯があります。ボーカルも薄くならないし、楽器のアタックも弱くならない。高解像度とS/Nの良さを持ちながら、音楽自体が小さくまとまらないんですよ!
これはSNSで最初に試聴した時にも書きましたが、「高解像度ケーブルにありがちな力感と厚みの無さをあまり感じない」というのが、私にとってUltra Slim Link最大の評価ポイントです。
PHILE WEBの試聴でも、ボーカルの厚みや密度、エネルギー感が増し、伴奏との分離や実在感も向上したと評価されています。この部分は私が聴いた印象ともかなり近いです。
4.じゃあ、なんで2.9mmなのか?
Ultra Slim Linkは、単純に「細いLANケーブルを作りました」という製品ではありません。
一般的なLANケーブルは、最大100mクラスの長距離伝送やPoEなど、かなり幅広い用途に対応できるよう設計されています。一方で家庭のネットワークオーディオを考えると、実際に使う長さは1mや2m、長くても数m程度というケースがかなり多い。
そこでTOP WINGは、数m程度しか使わないオーディオ用LANケーブルに、一般用途で要求される物量をそのまま持ち込む必要があるのか?というところから設計を見直しています。
データセンターなどで使われる極細径LANケーブルから着想を得て、さらに同社がFLUXやFLOWの製品開発で培ってきた極細径ケーブルの技術を投入し、短距離のオーディオ用途へ最適化したのがUltra Slim Linkというわけです!
私はこういう設計思想はかなり評価します。オーディオって音質を追求していくと、ケーブルを太くしたり、シールドを増やしたり、端子を大型化したりと、物量を足す方向へ行く製品が多いですよね。もちろん、それによって素晴らしい音を実現している製品も沢山あります。
でもUltra Slim Linkは逆で、使用条件を数m程度のネットワークオーディオに絞ったうえで、不要な物量を削っている。
つまり2.9mmという細さは価格を抑えるためだけの結果ではなく、最初から短距離伝送用として狙って作った結果なんです。
ここはUltra Slim Linkを見るうえでかなり重要だと思います。
5.細いだけじゃない。導体からRJ45プラグまで専用設計
さらに中身を見ると、かなりしっかり作られています。導体はAWG30相当の銀メッキ銅単線。LAN信号のような高周波伝送では表皮効果の影響が大きくなるため、TOP WINGは銀メッキ銅単線を採用しています。
絶縁材にはHDPE、高密度ポリエチレンを使い、外被にはPEを採用。さらにこの極細単線に合わせて、RJ45プラグまで専用設計しています。
圧着端子にはリン青銅を使用し、接点部分には金メッキ。端子外装にはポリカーボネートを採用していて、一般的な極細LANケーブルを流用しただけの構造ではありません。
構造そのものはCat6準拠のUTP、つまりノンシールド8芯ツイストペアです。オーディオ用LANケーブルというと、ノイズ対策のために強力なシールドを使った製品も沢山ありますが、Ultra Slim Linkはその方向ではなく、細径化と単線構造による振動特性、短距離での高周波伝送へ設計の軸を置いています。
難しいことを並べましたが、簡単に言うと
外見は非常にシンプルですが、どこにコストを掛けるのかがかなり明確なLANケーブルです。
6.この細さは実際の設置でもかなり効く
そして実際に使ってみると、2.9mmという細さは本当に便利です。
ハイエンドのLANケーブルって、太くて重い製品になると、接続したネットワークプレーヤーやスイッチのLAN端子へ結構な力が掛かります。特に本体が軽いネットワークスイッチなんかだと、ケーブルを挿しただけで本体が引っ張られて位置が変わることすらあります(笑)。
Ultra Slim Linkは細くて軽いので、ラック裏での配線がかなり楽ですし、機器側のLAN端子へ余計な負荷を掛けにくい。この実用性は実際に機器を設置する側からするとかなり大きいですよ。
ただし、一つだけ注意してください。Ultra Slim Linkは極細の単線です。細くて取り回しやすいからといって、小さなRでグイッと折り曲げたり、何度も同じ場所をグニャグニャ曲げたりするケーブルではありません。
取り回しは楽。でも扱いは丁寧に。間違いなくここだけは覚えておいてください!!!
7.じゃあ10万円、20万円のLANケーブルはいらないのか?
ここまでかなり高く評価していますが、ではUltra Slim Linkが10万円、20万円クラスのハイエンドLANケーブルを全部食ってしまうのかというと、私はそうは思いません。
高額なLANケーブルには、音色の艶やかさ、響きの美しさ、微細な余韻、音像の肉付き、空間の密度などで、明確に上だと感じる製品が私は有ると思います。
Ultra Slim Linkはどちらかというとアキュレートな方向です。ケーブル自体で音色を積極的に作ったり、濃厚な質感を付加したりするタイプではありません。だから「音色をもっと艶やかにしたい」「余韻をもっと濃くしたい」という人なら、さらに上のハイエンドケーブルへ行く意味はちゃんとあります。
見た目についても、金属製の巨大なコネクターを使ったような製品ではないので、所有する満足感や物量感を求めるケーブルでもありません。
でも、そこで改めて価格を見ると1m税込8,800円なんですよ。
まじでバーゲンプライスです(笑)
この価格まで戻ってくると、やっぱり評価はかなり高いです。私が試聴した限りでは、10万円クラスのLANケーブルと比較しても、解像度、S/N、アキュレートさという部分では遜色ないと感じるところがかなりありました。
総合的な音色や余韻、空間の密度まで含めれば上位ケーブルの方が良い。でも一部の性能を取り出して比較すると、「これ本当に8,800円なの?」となる。
だから私はSNSで試した時にも、「普通のオーディオファイルなら、これでLANケーブルはゴールでもいいんじゃないか」くらいの評価をしました。今回改めて仕様や設計まで調べ直しましたが、この評価は変わりません。
8.ペガサス的結論!1万円以下のLANケーブルとして相当完成度が高い!
ネットワークオーディオを始めたばかりの方なら、いきなりLANケーブルに5万円、10万円を使う前に、一度Ultra Slim Linkを試してみてほしいです。
解像度が上がる。S/Nが良くなる。音像の周りが整理された音になる。でも低域や音の厚みまで痩せにくい。LANケーブルを交換することで何が変わるのかを、かなり分かりやすく体験できるケーブルです。
反対に、既に10万円、20万円クラスのLANケーブルを使っている方にも、一度使ってみてほしい!高額なケーブルから交換した時に、どこが落ちて、逆にどこはほとんど落ちないのか。それを確認すると、Ultra Slim Linkが8,800円でどこまで作り込まれているのかがかなり分かると思います。
見た目は極細で、価格は1万円以下。取り回しは非常に楽。それなのに、解像度とS/Nだけを前へ出した細身の音ではなく、ちゃんと音楽の力感まで残している。
TOP WING Ultra Slim Link、この価格帯のオーディオ用LANケーブルとして超絶コスパに優れていると思います!
ということで、「ペガサス田中のネットワークオーディオいじり」第一回はTOP WINGのLANケーブル「Ultra Slim Link」でした!
次回以降も、ネットワークスイッチやルーター、光、SFP、アクセスポイントなど、実際に使って音がどう変わったのか、そして製品側が何を狙ってそうなっているのかまで含めて書いていきます。


