レコーディングと聞いてまず一番最初に思い浮かべる機材は「マイク」だと思います。
マイクには大きく分けてコンデンサーマイクと、ダイナミックマイクの2種類のマイクがあります。
それぞれの特徴をご紹介します。
■メリット
・感度が高いため細かな音まできれいに録音が可能。
■デメリット
・電源供給が必要(ファンタム電源)
・繊細なため衝撃や湿気に弱い
・高価なものが多い
コンデンサーマイクは感度が高く、ダイナミックマイクに比べて生々しい録音が出来るので、レコーディング用マイクとして使われています。アーティストのプロモーションビデオなどでレコーディング風景を見ることがあると思いますが、天井などで吊られて使われているあのマイクです。
感度が高いため、カラオケの様にマイクを手で持って使うと、マイクに触れた音(タッチノイズ)まで録音されてしまうことから、基本的にはマイクスタンドを用意し、直接触れないようにする必要があります。
また、コンデンサーマイクは電源供給が必要になります。例えばパソコンに音声を録音する際、マイクはオーディオインターフェースに接続します。
この時、オーディオインターフェースに「+48V」と書かれたボタンがあり、コンデンサーマイクを使用する際に、電源を供給するためのファンタム電源を動作させるボタンです。コンデンサーマイクには電源ケーブルなどをつなぐわけではなく、接続の際に使用するマイクケーブル(XLR-XLRケーブル)を使用することで、接続先のオーディオインターフェースやMTRなどから供給されます。
万が一マイクの接続先の機器にファンタム電源が搭載されていない場合は、コンデンサーマイクを使用することは出来ませんのでご注意ください。
■メリット
・電源不要
・衝撃などにも強く丈夫
・安価なものがたくさんある
■デメリット
・コンデンサーマイクに比べると感度が低い
カラオケなどでも使われる一般的なマイクがダイナミックマイクです。ライブやスピーチなどでも手に持って使用することが出来ます。
ダイナミックマイクは丈夫なので、ライブなどでも使用され、落下などの衝撃にも比較的強く、壊れにくいです。
ダイナミックマイクはコンデンサーマイクのような電源供給は不要なので、DJ機材やPAミキサーなどにつないですぐに使用することが出来ます。
もちろんダイナミックマイクを使ってレコーディングすることも可能です。
次にパソコンを使って録音するのであれば、「オーディオインターフェース」が必要です。
このオーディオインターフェースという機材は、簡単に言うと“マイクを通った声や音声をパソコンに送り、 逆にパソコンからの音楽(トラックなど)をヘッドホンやスピーカーへと送る機械”です。
つまり、パソコンへの入力とパソコンからの出力をしてくれる物がオーディオインターフェースです。
オーディオインターフェースには入力、また出力する音の質を向上させる役割もあります。
そのためパソコンを使ったレコーディングには必須のアイテムです。
マイクからインターフェースを経由してパソコンに送られた声の録音先であり、またその音を編集するために、ソフトウェアが必要となってきます。ソフトを起動し、ソフト上に録音したり、録音した後に波形を編集したりなどが出来ます。
このような楽曲編集ソフトはインターフェースに付属で付いてくるものを使用することが出来ますが、機能制限等がある場合もあるので、しっかりと編集したい人や、トラックの制作まで視野に入れている方は正規版のソフトウェアを購入されることをオススメします。
とりあえず録音出来ればOKということであればオーディオインターフェースに付属している機能制限版のソフトで問題ありませんし、機能制限版ソフトをお持ちの方に向けてお得に製品版を買うことが出来る“アップグレード版”というものも存在します。
どのソフトがオススメかは次章の「レコーディングって難しいの?」で解説させて頂きます。
レコーディングを行う際に、インスト(声が入っていないカラオケ状態のトラック)を聞きながら歌う必要がありますよね。レコーディングで声を出している最中も、自分の声がどんな風に出ているかを聞きながら歌うことも大事です。
そのために必要なのが「ヘッドホン」です。
もちろんレコーディング中だけでなく、録音し終えたあとに仕上がりを確認するときなどにも使います。
住宅事情などで大きな音が出せない方は、スピーカーはほとんど使わずにヘッドホンでしか確認できない方も多いので、そういう方はスピーカーにかけられない分、ヘッドホンに予算を割くということもオススメです。
自分の声、自分の歌をよりキレイに録音するために必須な機材、それがポップガードです。(ポップフィルターとも言います)
歌う時の息の抜けが目立ってしまったり、「サッ」とか「チッ」などの音が強く録られてしまって刺激音になってしまったりなどのノイズを軽減してくれます。
意外と知らない人もいますが、感度の良いコンデンサーマイクを使う場合、ポップガードはレコーディングには必須のアイテムです。
レコーディングを行うシチュエーションとして、 立ちながらのレコーディングを想像する方が大半だと思います。
立ちながらレコーディングするために必要なのが「マイクスタンド」です。
マイクを手で持って使うとマイクを触っている音が録音されてしまったり、録音音量にバラつきが出たりなど悪い影響が出がちになります。
また、マイクスタンドを使うことで手が空くので、 リリック帳や歌詞を見ながら歌うこともできるようになります。
録音した後は音量調整や、エフェクトをかけたりと 自分なりに1つの曲に仕上げていく作業を行います。(ミックス作業)
ミックスをする時もなるべくスピーカーで音を出して調節したほうが良いですし、ミックスして完成した音は、やっぱりヘッドホンでは無く、スピーカーで聞きたくなると思います。作品を聞く人と同じ環境で聞いてチェックすることも大事です。
そこで「モニタリング用のスピーカー」が必要になります。
スピーカーは“より良く聞こえるように”色付けした音で聞けるスピーカーが多い中、今回のような制作に使用するスピーカーには出来るだけ色付けの少ないフラットな音質のスピーカーを用いられることが多いです。
各メーカーごとに特色があるので、当店のレビューなどを参考に選んでみてください。
以上がレコーディングにおいて必要となる基本的な機材となります。
もちろん上のレベルを目指せば他にも色々な機材や周辺機器がありますが、 とりあえずこれだけあれば問題なくレコーディングできるでしょう!