ortofon MC Xシリーズ 新世代モデル全4種を徹底試聴レビュー
OTAIAUDIOようすけ管理人です。
アナログレコード再生において重要なカートリッジ。特にMC型(ムービングコイル)は、細かな音のニュアンスや空間表現力に大きく影響します。
2025年、ortofonが満を持してリリースした「MC Xシリーズ」は、かつての「Qシリーズ」をリファインし、より高精度・高解像度なサウンドを目指して開発された注目の新シリーズです。
今回はその全4モデル(X10、X20、X30、X40)を、TADのスピーカー GE1、ESOTERICのターンテーブル T1、同社製フォノイコライザー E1という超ハイエンド環境にて試聴。使用楽曲は、細部の表現力を問うために宇多田ヒカル「初恋」を採用しました。またESOTERICのT1にortofon AS-212Rを新しく取り付けました。これはかなり音がグレードアップするのでT1お持ちの方はお勧めのチューニングです。
技術的進化のポイント
- ネオジウムマグネットの組立精度向上(従来は手作業→工業的精密化)
- ステンレス製フレームの採用で振動を抑制
- ワンピース構造のポールシリンダー(剛性向上)
- 全モデルに銀線コイルを採用し電導効率を改善
SPU #1(基準モデル)
まずは比較基準としてSPU #1を使用。伝統的な有機的サウンドと高密度感が魅力。
MC X10(旧型番:Q5)
本体価格:49,000円(税抜)/53,900円(税込)
SPU #1よりも軽やかで、音場が左右にスッと広がる印象。空間再現性の高さに驚く。5万円クラスとは思えない完成度で、エントリーMCとしては衝撃的。
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MC X20(旧型番:Q10)
本体価格:81,000円(税抜)/89,100円(税込)
一聴して分かる高域の伸び。弦楽器の表現が美しく、空間の天井が高く感じられる。レンジの広がりによって音楽の解像感が一気に向上した。
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MC X30(旧型番:Q20)
本体価格:114,000円(税抜)/125,400円(税込)
針先が「無垢ファインライン」になり情報量が格段にアップ。宇多田ヒカルの曲中にわずかに入っているリバーブまで感じ取れる。S/N感の向上も明らか。
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MC X40(旧型番:Q30S)
本体価格:163,000円(税抜)/179,300円(税込)
ボロンカンチレバー+シバタ針という贅沢な構成。ストリングス、ボーカル、ピアノ、全ての音が立体的に浮かび上がる。低域の量感も豊かで、最上位モデルとして納得の完成度。
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番外編:アーム比較(ortofon AS-212R vs ESOTERIC純正)
ターンテーブル T1に装着された純正アーム(イケダ製)と、ortofon製「AS-212R」(¥380,000)を比較。個人的にAS-212Rは以前から愛用しているが、改めてそのしなやかさと芯のある音に感動。高価格帯ながら、その価値を十二分に感じられる名アーム。
MC Xシリーズ スペック比較表
モデル | MC X10 | MC X20 | MC X30 | MC X40 |
---|---|---|---|---|
出力電圧(1kHz, 5cm/sec) | 0.4mV | 0.4mV | 0.4mV | 0.4mV |
チャンネルバランス(1kHz) | 0.5dB | 0.5dB | 0.5dB | 0.5dB |
チャンネルセパレーション(1kHz) | 24dB | 25dB | 26dB | 26dB |
周波数特性(20Hz〜20kHz) | ±2dB | ±1dB | ±1dB | ±1dB |
スタイラス | Elliptical | Nude Elliptical | Nude Fine Line | Nude Shibata |
スタイラスチップ半径 | r/R 8/18μm | r/R 8/18μm | r/R 8/40μm | r/R 6/50μm |
カンチレバー | アルミニウム | アルミニウム | アルミニウム | ボロン |
適正針圧 | 2.0g | |||
内部インピーダンス | 6Ω | |||
推奨負荷インピーダンス | 50Ω以上 | |||
自重 | 8.6g | |||
JANコード | 5705796271287 | 5705796271294 | 5705796271300 | 5705796271317 |