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FRANCO SERBLIN Accordo Essence(アッコルド・エッセンス)試聴レビュー

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FRANCO SERBLIN Accordo Essence(アッコルド・エッセンス)試聴レビュー

フランコセルブリンのAccordoといえば、超ロングセラーのブックシェルフスピーカー。
2011年の発売以来未だにOTAIAUDIOでも人気のブックシェルフスピーカーである。
ktemaに続きリリースされた10年に一度あるかないかの傑作と評された一品。

Accordoに関しては弊社でもこちらで特集ページを組んでいるので確認いただければ幸いである。

そして今回登場したのがAccordo Essenceだ。

報道発表がいつのタイミングだったかは定かではない。
私が初めてAccorde Essenceを確認したのはWEBでどこかから画像が流れてきてスマホで確認をしたのだと思う。

その画像は、、、、これは私以外の方も言っていたのだが、一見してそのままAccordeを縦長にしてトールボーイサイズにしたように見えて、フランコの新作の割には、デザイン的な驚きはなかった。

・・・というよりもktemaやAccordeそしてLIGNEAの登場があまりにもデザイン的に鮮烈だったのでインパクトでいうとちょっと肩透かしを食らった事を覚えている。

今思えば名前がAccorde Essenceと書いてあるので、読んで字の如しということなんだろう。

初めて画像を確認してからしばらく時間が経ち、公式的に発売の予定の連絡が当社にあったのが2020年の冬の事だった。
2020年5月発売予定というのが今の予定である。
状態としては只今予約を受け付けさせていただいている状況である。

もちろん発売当初から取り扱いをしてきた弊社としては注目をして取り扱いを前提に発売よりも一足先に確認をさせていただいた。

昨今の時勢もあり試聴に来たくてもこれないお客様も多いので、つたない感想ではあるが私なりの所感を記載させていただく。

現在のSTUDIO FRANCO SERBLINのオーナーMassimiliano Favella氏の自身のブランドへの回答がいきなり試される。

現在のSTUDIO FRANCO SERBLINのオーナーはMassimiliano Favella(マッシミリアーノ・ファヴェッラ(以下ファヴェッラ氏))氏である。

2013年にFRANCO SERBLINが他界する前から作品をくみ上げ、クロスオーバーネットワークの製作などを手掛けていたいわば二人三脚でやってきたのがファヴェッラ氏である。

フランコのAccodeに対する音楽の思いをどう解釈し、どんな時代を切り開いていくのか、ファヴェッラ氏の感性と、フランコの伝統がどうせめぎあっていくのか?
そして、その結果我々にどういう景色を見せてくれるのか?これは単純に新しいスピーカーの発表にとどまらず、「芸術と感性の世襲」という大変難しく、その言葉自体成立するかしないかのわからないような神の領域の中でのバランス感覚が試されるているのではないかと思う。

フランコを尊重しAccordeの延長上のサウンドになっているのか、それともファヴェッラ氏の感性の新たなる旗が立っていくのか。

そんなことを思いながら試聴に臨みたいという反面、今までのストーリーを無視して純粋にトールボーイのスピーカーとしての評価をしなければという様々な思いを交錯させながら今回の試聴に臨んだ。

Accordeのイメージ、フランコのマジックがしっかり感じられる間違いない出来。

まずは音のベクトルの話をしたいと思う。
これが今までのフランコと違う方向に少しでも触れていれば良くも悪くも大事件だし皆様にそれは正直にお伝えしなければならないという勝手な使命感を持っていた。

そこに関しては、フランコファンにはどうぞ安心していただきたい、と太鼓判を押させていただきたい。
Accordeがお好きな方なら、まず間違いなく嫌悪感をいただいたり、方向性のズレを感じたりすることはまずないであろう。

精緻ながら優しく包み込まれるような奇跡のサウンドは健在で、その場の空気をすべて味方につけるかのようなフランコマジックはこのAccorde Essenceにおいても健在である。ユニットもAccordeと同一のユニットを使用し、トールボーイになったとはいえ形状に関してはそのままストンと落とした形状になっているので、やはり大きくベクトルをずらすことはないサウンドになっている。

こういったところにおいては一切冒険がないと思いきや、ユニットが一つ増える分、そして、ブックシェルフからトールボーイになった分、それらを調和させ一つのメッセージとして成立させるのは、大変難しいことである。

しかもAccordeという名作を前にどのようにそれを調和させていくのか大変苦労したと思われる。

ファヴェッラ氏の個性は確実に存在する。

ベクトル的にはAccordeと大きなズレがなく、フランコファンあればまず間違いなく気に入っていただける出来ではあるのだが、現オーナーのファヴェッラ氏が独自の挑戦や主張をしていないのかというと、そこはそこでしっかりなされている。

おそらく私が思うにファヴェッラ氏は非常にクレバーな方なのではないかと思う。

今までのフランコのファンを大事にしながら、それでいて、コンサバティブだと後ろ指さされることがない適度な主張をうまくしているのである。

空気の使い方は、フランコをリスペクトしつつも自分なりの個性を大切に絶妙なバランスをとっている。

ファヴェッラ氏の表現とは?

そして攻めているなと思ったのはクロスオーヴァーである。

特にミッドウーファーとウーファーの切り方が絶妙で、音場に立体感を持たすことに成功している。
その結果Accordo EssenceはAccordeでは成し得ない世界を表現しているのである。

低域はしっかり地に足がついていて、そのうえで中域高域が楽しそうにストレスなく回遊している、このストレスフリーな気持ちの良い音世界を感じた後にAccordeを聴くと、Essenceのスケール感、、それも、威張り散らしたジャイアニズムのようなものとは無縁な、ナチュラルにちょうど良いスケールアップという絶妙な世界観を表現している。

フランコの世界観を立てつつも確実にファヴェッラ氏の個性も盛り込まれている。
この二つの大きなテーマを喧嘩させることもなく、ファンを裏切ることもなく、そして、新しい世界を見せてくれ、という革新的なオーディオファンをも納得させてくれるまさに神業的な仕事であることは間違いない。

ある意味初代フランコは自分の望むようなサウンドを具現化して多くのオーディオファイルに評価され、という道を歩んできたと思う。
しかしファヴェッラは、すでに世界中に多く存在するフランコファンを納得させるという十字架を背負いながら、今回の開発に取り組んだ。

それは並大抵のプレッシャーではないと思うし、その中で自らの個性もしっかり入れ込んであるのは、神業といってもよいのではないだろうか。

実際に聴いてみた感想

 

イタリアの歴史や文化の蓄積の極みのような色気と生命力の塊のようなブランドがスタジオフランコセルブリンであるが、そうとなるとちょっとイタリアに寄せたくなってしまう。

ということでまず試聴に選んだのがロッシーニである。
そのロッシーニの女神と評される19世紀の歌姫イザベッラコルブランを現代のディーヴァ、メゾソプラノ、ジョイスディドナートが歌い上げるオペラアリア集である。(2010年作)

非常にホールの響きを利用した素直な録音であるので、普段から好んで聴いている。
私がオーディオ的によく使うのは、4曲目。この曲はディドナートのソプラノの広域がマイクにしっかり刺さっている場面があり、それを鳴らし切れるのかどうかというチェックで使用していたり、あとはホールの響きが良くも悪くも広がるので、そこの音場感にも注目して聞いている。

結論から言ってこのソフトはなかなか乗りこなすのが難しい。タイトなスピーカーではうるさく聞こえたり華奢に聞こえたりするし、ブーミーだったりファットなスピーカーではモゴモゴしてよくわからないなり方になってしまう。

ディドナートのロッシーニをAccorde Essenceで聴いてみた。

前置きが長くなってしまったがそんな(愛すべき!)ディドナートのロッシーニをAccorde Essenceで聴いてみた。

ちょっといきなり当て込みすぎた感があるが、水を得た魚のように歌ってくれる。

わかりやすいのでAccordeと比較しよう。

Accordeでもこの盤は非常にエレガントになるのだが、大方の予想通り違うのは低域である。

ただし、いわゆるブックシェルフとトールボーイの低域感の違い、よくあるような、、、そういう単純なものではない。

曲中に「ドーン!」とティンパニがなるのだが、Accordeで聴いたときは、小さいのにうまく表現しているな、と感心したものである。
その思いは未だにある。ブックシェルフとは思えないくらい、低域の深かみを感じさせる、まさにフランコマジック。

しかし、Essenceの場合は、もう一聴して、ティンパニの低域がうまくなるかどうか、、、という風に構えてスピーカーを聴くオーディオショップのオーナーとしての自分がどこかにいってしまった位、そんなことどうでもいいやと思わされてしまったのだ。

Accordeには申し訳ないが、Essenceの低域に対する安心感は相当なもので、当たり前に盤石になってくれるので、評価するに値しないのだ。よい意味で。

低域の解像度に関しては、もっと素晴らしいスピーカーがあるのかもしれないが、音の広がり音場感、空気感、ステージ間に関しては圧倒的で、聴く者をその音源の世界に一気に心酔させる能力を持っている。

その時点でAccordeとは圧倒的に異なるのである。Accordeの場合はスタートの時点から、このスピーカーで実際ホールの響きがなるか、とか、ティンパニの低域をどこまで表現できるか、というようなことを気にして、実際うまくなってくれるから感心するし、大したものだ、となる。

しかしながら、Essenceに関してはそもそも最初からそんなことを思わず音楽に没頭できる。

この違いは大きいのではないか、と思った。

 

室内楽を聴いてみた。BEETHOVEN:Violin Sonata Nos.5,6&10 SAYAKA SHOJI Gianluca Cascioli

フランコと言ったら弦は欠かせない。ということでシンプルな室内楽をチョイスしてみた。

この盤は2015年にリリースされた庄司紗矢香とジャンルカ・カシオリのベートーヴェンヴァイオリンソナタである。

シンプルな録音で非常に好感が持てる一枚であるが、スピーカーによっては、突き抜け感が出にくく、演者のエモーションがでないばあいもある。
良さそうに見えてなかなか鳴らすのに苦労する奥深い一枚と言えよう。

それを迷わずCDの棚から引っ張り出してきたのは、Essenceだったらしっかり鳴らせると確信があったから。

Essenceのキャビネットには、加工の難しいウォルナット無垢材を使用して製作してある。
そのキャビネットに据え付けられた3つにユニットそしてバスレフポート。
これらが混然一体となって、庄司紗矢香のヴァイオリンが、気品を持ちそしてどこまでも自然にスッとなってくる。
もうここまで来るとオーディオを聴いている感覚もしなくなってくる。ライブ感、という言葉が陳腐になるくらいそこにある音。

カシオリのピアノからはハンマーアクションのビジュアルが飛び込んできたり、庄司紗矢のヴァイオリンの繊細なプレイがただそこにあるような感じ。

とにかくストレスがない自由な世界を演出してくれるスピーカーである。

 

女性ボーカルを聴いてみた。BEST AUDIOPHILE VOICES VII

そして最後に女性ボーカルを聴いてみた。オーディオファンにはおなじみのコンピレーションシリーズ。

Essenceのボーカルの定位はどうなんだろう、音場感や雰囲気は素晴らしいがシャープで解像度を追及される方に対してどれくらいお勧めできるのか?

そんな思いでチェックしてみた。

まず最初に例えばB&Wのようなスピード感や解像感を求めるのは酷だということである。
やはりどこかふわっとしているところがあり良くも悪くも柔らかくマイルドである。

しかし、音がぼやけているかというとそんなことは全くなく、あくまでナチュラルに響かせてくれる。
Essenceの世界観がはっきりしており、また低域もしっかりしているので、逆に高域などの伸びも気持ちよく表現されていて、ボーカルの声のハリなども大変気持ちが良い。豊かでのびやかである。

もっと解像度が高い方が良い、、という不満を持つ方もほとんどいないのではないだろうか?

とにかく広域から低域までしっかりと調和がとれており自然にいつまでもそのサウンドに浸りたいと思わせてくれた。

 

Accorde Essenceの織り成す調和、描き出す世界をOTAIAUDIOで是非体験してほしい。

これだけ発売前から話題になっているスピーカーも久しぶりかもしれない。
前作Accordeの期待を背負って今年の春登場するAccorde Essenceは紛れもなく唯一無二の世界観を誇っている。

前述した通りフランコの良くも悪くも十字架を背負う中ファヴェッラが作り出した音の回答は超一級品である。
歴史の継承と自らの主張、そしてサウンドのバランス、そして価格に関してもどれをとっても非常に良い塩梅で人気になることは間違いないであろう。

2020年を代表すること間違いないこのスピーカー、まずは調和のとれたその世界をあなたも体験してみてほしい。

当然ながらOTAIAUDIOでは店頭導入をすでに決定して常設展示することにしている。

また入荷したらブログ等で報告いたします。

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