ベルトドライブとダイレクトドライブ、何が違う?
皆様こんにちは!オタイオーディオのリクトです!
前回は、
「レコードプレーヤー、安いものと高いものは何が違う?」
というテーマで、レコードプレーヤーの価格差についてお話ししました。
そこで少しだけ登場したのが、
「ベルトドライブ」
と
「ダイレクトドライブ」
この2つ。
レコードプレーヤーを探していると、商品説明にかなりの確率で出てきます。
でも初めて見ると、
「……で、結局どっちを選べばいいの?」
となりますよねw
今回はこの2つの違いを、できるだけ難しい話を抜きにして解説していきます!
結論:モーターの力を「どうやってレコードまで届けるか」が違います。
かなりシンプルに言うと、
これが基本です。
ただ、この構造の違いによって振動、回転の安定性、立ち上がり、メンテナンス、DJプレイへの適性などが変わってきます。
この記事でわかること
ベルトドライブって何?
ベルトドライブはその名前の通り、
ゴム製のベルトを使ってターンテーブルを回す方式です。
レコードを載せる丸い台を「プラッター」と呼ぶのですが、その横などにモーターを配置して、
モーター → ベルト → プラッター
という順番で力を伝えます。
この「間にベルトが入っている」というのがポイントです。
モーターは動いている以上、どうしても微細な振動を発生します。
レコードプレーヤーは針で非常に小さな振動を読み取っているので、本来の音楽とは関係のないモーター振動は、できるだけ針に届けたくありません。
そこでベルトがクッションのような役割をして、モーター振動を伝わりにくくします。
これがベルトドライブの大きなメリット。
リスニング用のレコードプレーヤーでベルトドライブが非常に多く採用されている理由のひとつです。
ダイレクトドライブは「直接」回す。
一方のダイレクトドライブ。
Direct=直接。
その名の通り、モーターとプラッターが直結しています。
ベルトを介さないため、モーターの力をそのままプラッターへ伝えられます。
そのため、
というメリットがあります。
ただし、モーターとプラッターが直結しているということは、モーター側の振動や回転ムラをきちんと抑える設計が重要になります。
シンプルな構造に見えて、実はモーター制御の技術力がかなり問われる方式です。
じゃあ、どっちの方が音が良いの?
ここが一番知りたいところだと思います。
答えは……
たしかに構造上の傾向としては、
という違いはあります。
でも実際の音は、
・モーターの精度
・プラッター
・筐体
・トーンアーム
・カートリッジ
・振動対策
など、プレーヤー全体の設計で決まります。

「ベルトだから高音質」「ダイレクトだから高音質」という単純な話ではないんです。
回転の安定性なら、ダイレクトドライブが得意。
レコードは33 1/3回転、45回転といった決められた速度で回っています。
当然ですが、回転速度がフラフラしてしまうと音程も一緒に揺れてしまいます。
そこで重要になるのが、
ワウ・フラッター
という性能です。
簡単に言えば、回転速度のムラを示すもの。
高性能なダイレクトドライブ機ではモーターの回転そのものを高精度に制御することで、非常に安定した回転を実現しているモデルがあります。
ただし最近のベルトドライブ機も、モーター制御やプラッターの工夫によって高い回転精度を実現しているものがあります。
ここでも「方式だけ」で決めつけないことが大切です。
メンテナンスは何が違う?
一番分かりやすい違いはベルトです。
ベルトドライブではゴム製ベルトを使っているので、長年使っていると伸びたり、硬化したり、劣化したりします。
そうなると、
ということがあります。
とはいえ、ベルト自体は交換可能な消耗品として設計されていることが多いので、必要になったら交換すればOKです。大体のメーカーが交換用ベルトを準備しています。
対してダイレクトドライブには、この駆動用ベルト自体がありません。
もちろん、どちらの方式でも針やカートリッジなどその他のメンテナンスは必要です。
なぜDJ用ターンテーブルはダイレクトドライブなの?
DJ機材をご存じの方なら、
「Technics SL-1200シリーズってダイレクトドライブだよね?」
と思った方もいるかもしれません。
DJではレコードを手で止めたり、前後へ動かしたり、止めた状態からすぐに曲をスタートしたりします。
この時に必要なのが強いトルクと素早い立ち上がりです。
ダイレクトドライブはモーターの力がプラッターへ直接伝わるため、こういった使い方と非常に相性が良いんですね。

ただし、
ダイレクトドライブ=DJ用、ではありません。
TechnicsのSL-1500CWのように、音楽鑑賞を目的とした本格的なHi-Fi用ダイレクトドライブプレーヤーも存在します。
ここまでを一度まとめてみましょう!
| ベルトドライブ | ダイレクトドライブ | |
|---|---|---|
| 駆動 | ベルトを介して回す | モーターで直接回す |
| モーター振動 | 伝わりにくくしやすい | モーター設計・制御が重要 |
| トルク | 比較的穏やか | 強くしやすい |
| 立ち上がり | 比較的ゆっくり | 速いモデルが多い |
| 消耗品 | ベルト交換あり | 駆動ベルトなし |
| DJ | 基本的に不向き | 非常に相性が良い |
| リスニング | ◎ | ◎ |
実際に選ぶなら、こんなプレーヤーがあります。
HAKU / HTT-1100
OTAI AUDIO/OTAIRECORDが企画した、リスニング用ベルトドライブプレーヤーです。
ユニバーサルトーンアーム、カートリッジ交換、針圧・アンチスケーティング調整などに対応しつつ、フォノイコライザーやBluetooth出力も搭載しています。
「初めてだけど、後からカートリッジ交換なども楽しんでみたい」という方に。
Technics / SL-1500CW
Technicsのコアレス・ダイレクトドライブ・モーターを搭載したHi-Fi用プレーヤーです。
高精度な回転制御に加え、2層構造プラッターや高剛性筐体など振動対策にも力を入れています。
「長く使える本格的なプレーヤーが欲しい」「回転精度も含めて音質を追求したい」という方に。
結局、初心者はどっちを選べばいい?
僕ならこう考えます。
ただし、何度も言いますが、
最終的には「駆動方式」よりも、そのプレーヤー全体がどう作られているかを見るのが大事です。
ベルトドライブにも何十万円、何百万円という高級機があります。
ダイレクトドライブにも入門機から超高級機まであります。
「ベルトだから上」「ダイレクトだから上」という序列ではありません。
まとめ:方式が違えば、得意なことも違う。
今回の内容を最後に超シンプルにまとめると、
こんな感じです。
今まで商品ページを見て、
「ベルトドライブって書いてあるけど何のこと?」
となっていた方も、これでプレーヤーを見るポイントがひとつ増えたと思います!
そしてこのあたりが分かり始めると、今度はプラッター、トーンアーム、カートリッジ……と気になる部分がどんどん増えてきますヨ^^
レコードプレーヤー、安いものと高いものは何が違う?
そもそもプレーヤーの値段が上がると何が変わるの?という方はこちらもぜひご覧ください!
「自分ならどっち?」というご相談も大歓迎です!
例えば、
「レコード鑑賞だけならどっち?」
「予算5万円ならおすすめは?」
「昔のTechnicsから買い替えたい」
「DJはしないけどダイレクトドライブが気になる」
こういったご相談もお気軽にどうぞ!
ご予算や現在お使いのオーディオシステムを踏まえてご案内いたします。
仕組みが分かると、プレーヤー選びはもっと面白い!
今まで何となく見ていた「ベルトドライブ」「ダイレクトドライブ」という文字も、仕組みを知ってから見ると、
「あ、このプレーヤーは振動をこう処理してるんだ」
「これは回転精度を重視しているんだな」
と、メーカーが何を狙って作った製品なのかも少しずつ見えてきます。
そして、その違いを知ったうえで自分の好きなレコードを聴き比べる。
これもアナログオーディオの楽しさのひとつですね!
それでは、最後までご精読ありがとうございました!
また次回の音観録でお会いしましょう!!


