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【OTAIAUDIOリクトの音観録 #15】レコードプレーヤー、安いものと高いものは何が違う?

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OTAIAUDIOリクトの音観録 #15

レコードプレーヤー、安いものと高いものは何が違う?

皆様こんにちは!オタイオーディオのリクトです!

前回の音観録では、
「レコードって、いくらから始められるの?」
というテーマで、レコード再生に必要な予算についてお話ししました。

そこで次に気になってくるのが……

「2万円のプレーヤーも10万円のプレーヤーも、同じレコードを回すんでしょ?何が違うの?」

という疑問です。

実際、レコードを33回転で回して、針を落として、音を出す。

やっていることだけを見れば、2万円台のプレーヤーも10万円を超えるプレーヤーも基本的には同じです。

では、なぜこんなにも価格差があるのか…?

今回は「レコードプレーヤーの価格が上がると、一体何が変わるのか?」を解説していきます!

執筆:OTAIAUDIO 野村 陸斗

結論!高いプレーヤーほど「レコードから正確に音を取り出す」ためにお金をかけている!

ものすごくざっくり言ってしまうと、

安いプレーヤー
→レコードを簡単に、手軽に楽しむことに重点を置いたものが多い。
高いプレーヤー
→レコード盤に刻まれた情報を、より正確に読み取るための作りにお金がかかっている。

というイメージです。

ただし!

高い=絶対に自分に向いている、という意味ではありません。

ここが今回かなり大事なところです。

この記事でわかること

01:まず何にお金がかかっているの?
02:違い① レコードを回す精度
03:違い② 振動への強さ
04:違い③ トーンアームとカートリッジ
05:違い④ 調整・アップグレードの自由度
06:高い方が不便なこともある?
07:実際に価格帯別で見てみよう
08:結局、初心者はいくらくらいを選べばいい?

01

そもそも、何にお金がかかっているの?

レコードプレーヤーは、一見するとかなりシンプルな機械です。

丸い台が回って、そこに針を落とす。

ただ、実際にはこのシンプルな動きの中に、

・モーターを一定の速度で回す
・余計な振動をレコードや針に伝えない
・針を正しい角度、正しい力でレコードに当てる
・細かな溝の動きを正確に電気信号へ変える

という仕事があります。

そして価格が上がっていくと、こうした一見見えにくい部分の精度に、どんどんコストがかけられるようになります。

高級プレーヤーが高い理由って、意外と「見えないところ」にあるんですよね。

02

違い① レコードを「正確な速度」で回せるか。

レコードプレーヤーで、まずめちゃくちゃ重要なのが回転です。

例えば33 1/3回転のレコードなら、できるだけ一定の速度で回り続けてほしいわけです。

もし回転速度がわずかに速くなったり遅くなったりすると、音程も一緒に揺れてしまいます。

回転が不安定だと……
ピアノの伸びる音が少し揺れて聞こえたり、
ベースの音程がぼやけたり、
音楽全体が落ち着かなく感じることがあります。

価格が上がってくると、モーターの制御や回転軸、プラッターなどにコストをかけ、より安定して盤を回すことを目指した設計が増えてきます。

意外と地味なところですよねw

でも、レコードプレーヤーって「正しく回す」ことが大前提の機械なんです。

高級プレーヤーほど、まず「ちゃんと回す」ことに本気です。

03

違い② 高いプレーヤーほど「余計な振動」と戦っています。

レコードって、実はめちゃくちゃ小さな振動を読み取って音を出しています。

レコードの溝を針が通り、その動きをカートリッジが電気信号に変えているわけです。

ということは……

レコードの溝とは関係ない振動まで針に伝わってしまったら、それも一緒に拾ってしまう。

例えば、

・モーター自身の振動

・スピーカーから床や棚へ伝わる振動

・プラッターや本体の共振

などなど。

そこで上位モデルになると、重量のある筐体、振動を抑える素材、しっかりした脚、複数層の構造などを使って、余計な振動をできるだけ針まで届けないように作られています。

この部分がしっかりしてくると、低音がモヤッと広がりにくくなったり、細かな音が埋もれにくくなったり、音像が見えやすくなったりします。

04

違い③ トーンアームとカートリッジ。

個人的には、ここもかなり大きい違いだと思います。

トーンアームとは、針が付いている棒の部分です。

見た目だけだと「針を支えているだけじゃないの?」と思いますが、実際にはレコードの溝に沿って、ものすごく小さな動きを正確に追い続けなければいけません。

針はレコードの溝を「走っている」のではなく、「正確に追いかけている」というイメージです。

上位モデルになるほど、アームの軸受け部分や剛性、動きの滑らかさ、針圧調整などにこだわった設計が増えてきます。

そして、その先端についているカートリッジも重要です。

ここは実際にレコードの溝から音を拾う部分なので、交換できるプレーヤーなら、カートリッジを変えるだけでもかなり音が変わります!

「プレーヤーを買い替えなくても、針先で音を変えられる。」
これがアナログの面白いところでもあります。

05

違い④ 値段が上がると「自分で触れる部分」が増えてくる。

安価な入門機の場合、カートリッジや針圧などが最初から固定されていて、購入後はほとんど何も調整せず使えるものがあります。

これは初心者にとってかなり大きなメリットです。

箱から出して、接続して、ボタンを押す。

簡単です。

一方で少し上のモデルになると、

カートリッジを交換する
針圧を調整する
アンチスケーティングを調整する
外部フォノイコライザーを使う
マットやヘッドシェルを変える

といったことができるようになってきます。

高いプレーヤーほど「完成された音を買う」というより、「自分で音を作っていける」という面白さも増えてきます。

06

実は「高い方が便利」とは限りません。

家電製品だと、普通は高くなれば高くなるほど機能も増えていきますよね。

ところがオーディオの場合、必ずしもそうではありません。

例えば安価なプレーヤーに、

・ボタンひとつで再生できるフルオート
・フォノイコライザー内蔵
・Bluetooth出力
・カートリッジ取り付け済み

といった便利機能が搭載されていることもあります。

逆に、何十万円もする本格的なプレーヤーなのに、

針は自分で落としてください。フォノイコライザーも別で用意してください。カートリッジも自分で選んでください。

なんていう製品も普通にありますwwwぶっちゃけマジかって思います()

高級オーディオは「何でもやってくれる」のではなく、
「音を良くすることだけに集中している」製品も多い。

なので、価格だけで上下を決めるより、自分が何を求めているのかがかなり重要なんです。

ちなみに「ベルトドライブ=安い」「ダイレクトドライブ=高い」ではありません!

ここも勘違いされやすいところです。

レコードプレーヤーには、大きく分けてベルトドライブダイレクトドライブがあります。

でも、

「ダイレクトドライブだから上位」
「ベルトドライブだから入門用」

という単純な話ではありません。

どちらの方式にも入門機から高級機まであります。大事なのは方式そのものより、モーターや軸受け、筐体、アームなどを含めてどう作り込まれているかです。

07

実際のプレーヤーで見てみましょう!

ここまで文章だけで説明してきましたが、実際の商品で見た方が分かりやすいと思います。

今回は方向性の違う3台を例に見てみます!

まずは、とにかく簡単に楽しみたい!

DENON / DP-29F

DENON DP-29F レコードプレーヤー

DP-29Fはベルトドライブ方式のフルオートプレーヤー。
MMカートリッジとフォノイコライザーを内蔵しています。

ボタンを押せばアームが動いて再生を開始し、演奏が終われば元の位置に戻ってくれます。

こういう方におすすめ
「調整とかよく分からないから、とにかく簡単にレコードを聴きたい!」

カートリッジ交換などの自由度より、導入の簡単さを優先したタイプです。

次は、入門価格でも後から遊びたい!

HAKU / HTT-1100

26,800円(税込)
HAKU HTT-1100 レコードプレーヤー

HTT-1100はベルトドライブ方式ですが、ユニバーサルトーンアームを採用し、カートリッジ交換が可能。

さらに針圧、アンチスケーティング、ピッチなどを自分で調整できます。

一方でフォノイコライザーも内蔵しているので、最初は難しいことを考えず始めることもできます。

こういう方におすすめ
「最初は簡単に始めたい。でも、ハマったらカートリッジ交換もしてみたい!」

HAKU HTT-1100の商品ページを見る

そして、本格的に長く使いたい!

Technics / SL-1500CW

130,000円(税込)
Technics SL-1500C レコードプレーヤー

SL-1500CWはTechnicsのコアレス・ダイレクトドライブ・モーターを採用した本格派。

2層構造のプラッターや筐体など、安定した回転と振動対策にしっかりコストをかけています。

さらにカートリッジ、フォノイコライザー、オートリフトアップまで備えているため、本格派ながら導入しやすいのも特徴です。

こういう方におすすめ
「最初から長く使えるプレーヤーが欲しい。音質もしっかり追求したい!」

Technics SL-1500CWの商品ページを見る

3台をざっくり比べるとこんな感じ!

DP-29F HTT-1100 SL-1500C
方向性 手軽さ重視 入門+発展性 本格Hi-Fi
駆動方式 ベルト ベルト ダイレクト
操作 フルオート マニュアル マニュアル+オートリフト
カートリッジ交換 自由度は低め 可能 可能
フォノイコ 内蔵 内蔵 内蔵
おすすめ 簡単さ最優先 初めて+後から遊びたい 音質・長期使用重視

※単純な性能順位ではなく、それぞれの製品が目指している方向性を分かりやすくまとめています。

で、結局「音」はどう変わるの?

ここが一番気になりますよね。

もちろん組み合わせるカートリッジやフォノイコライザー、アンプ、スピーカーによっても変わりますが、
プレーヤーの精度が上がってくると、

低音の輪郭が見えやすくなる
音程が安定して聞こえやすくなる
小さな音が埋もれにくくなる
左右や奥行きの位置関係が分かりやすくなる
音楽全体が落ち着いて聞こえる

といった違いにつながってきます。

「高いから低音がいっぱい出る!」みたいな派手な変化とは少し違います。

今まで少しぼやけていたものが、ちゃんと見えるようになる。

僕はレコードプレーヤーのグレードアップって、こういう変化だと思っています。

08

結局、初心者はいくらくらいのプレーヤーを買えばいい?

これは前回の記事のなぞりにもなりますが、僕ならこんな感じで考えます。

〜2万円台
まずはとにかくレコードを聴いてみたい。操作は簡単な方がいい。
2〜5万円前後
これからレコードを続けたい。カートリッジ交換などもやってみたい。個人的には最初の一台にかなりおすすめ。
10万円前後〜
最初から音質を重視したい。長く使える本格的なプレーヤーが欲しい。

こんなイメージです。

一番高いものを買う必要はありません。
自分が「どこまでレコードを楽しみたいか」で選ぶのが正解です。

まとめ:価格差は「レコードの溝をどこまで丁寧に読むか」の差。

今回の話をまとめると、

① 回転の安定性
② 振動対策
③ トーンアームの精度
④ カートリッジ
⑤ 調整・アップグレードの自由度

こういった部分にコストをかけていくことで、価格差が生まれています。

ただ、2万円のプレーヤーでもレコードは楽しめます。

むしろボタンひとつで聴ける機種の方が、その人にとっては幸せかもしれません。

一方で、

「もっとこのレコードの音を聴きたい」

「カートリッジを交換してみたい」

「スピーカーの前でじっくり音楽を聴く時間が好き」

となってくると、プレーヤーにお金をかける意味がどんどん見えてきます。

安いプレーヤーが「レコードの入口」なら、
高いプレーヤーは「もっと深くレコードを知るための道具」なのかもしれません。

前回の音観録はこちら!

レコードって、いくらから始められるの?

「そもそもレコードを始めるのに全部でいくら必要?」という方は、こちらから読んでいただくと今回の記事がさらに分かりやすいです!

音観録 #14を読む

「自分にはどの価格帯がいい?」もお気軽にお問い合わせください!

例えば、

「初めてだけど長く使いたい」

「予算3万円なら何がおすすめ?」

「今のプレーヤーから買い替えると音は変わる?」

「カートリッジ交換をしてみたい」

こういったご相談も大歓迎です!
ご予算や現在お使いの機材、どんなふうにレコードを楽しみたいかを教えていただければ、一緒に選ばせていただきます。

OTAI AUDIOに相談する

値段の違いが分かると、プレーヤー選びはもっと面白くなる!

「高い方が良いらしい」だけで選ぶより、

「このプレーヤーは回転にお金がかかっているんだな」

「これは簡単に使えることを優先しているんだな」

「これはカートリッジ交換を楽しめそうだな」

と分かってくると、プレーヤーを見るのが一気に楽しくなってきます。

そして気づいたら、カートリッジ、フォノイコ、マット、インシュレーター……。

また新しい沼の入口が見えてきますヨ^^

それでは、最後までご精読ありがとうございました!
また次回の音観録でお会いしましょう!!

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