イタリアの美学と独創回路が息づくセパレートアンプ。Serblin&Son「Frankie」シリーズ3機種を徹底解説

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イタリア・ヴィチェンツァの地にて、名匠フランコ・セルブリン氏のスピリットを受け継ぎ、独自の電子工学アプローチを融合させたオーディオブランド「Serblin&Son(セルブリン&サン)」。
主宰のファビオ・セルブリン(Fabio Serblin)氏は、若き日にSonus faber初期の名作開発を技術面から支え、その後設立したFase Evoluzione Audioでも数々のアンプを自ら設計・製造してきた実力派エンジニアです。
今回は、「Frankie(フランキー)」シリーズのセパレートアンプ3モデル、「Frankie hybrid preamplifier(プリアンプ)」、「Frankie stereo power(ステレオパワーアンプ)」、そして「Frankie monoblock power(モノラルパワーアンプ・ペア)」をピックアップ。その構造と回路設計を詳しく解説いたします。
1. Frankie hybrid preamplifier|真空管SRPP・無帰還設計と「Golden Stairway」アッテネーター

「Frankie hybrid preamplifier」のラインアンプ部には、4本のE88CC(6DJ8)双三極管を搭載し、能動カスコードMOSFET定電流源を備えたバランスSRPP(Shunt Regulated Push-Pull)回路トポロジーを採用しています。2本の三極管を上下に配置し、上側の球が下側の球の能動負荷として動作する回路方式により、シンプルな構成でありながら低い出力インピーダンスを獲得。全体に負帰還を一切施さないオーバーオール・ゼロフィードバック回路とすることで、信号の鮮度と自然な表現を保ちながら、パワーアンプを安定して駆動する能力を備えています。
音量調整部には、自社開発のステップ式アッテネーター「Golden Stairway」を搭載。一般的なアナログポテンショメーターやデジタルボリューム素子とは異なり、高精度固定抵抗をリレーによって切り替えるステップ式を採用しています。微小音量時においても左右チャンネル間のギャングエラーを抑制し、経年による接点劣化のリスクを低減させています。
電源部には専用設計の60VAトロイダルトランスを採用。3系統の独立した二次巻線とディスクリート安定化回路を組み合わせ、各増幅段に応じた給電環境を構築しています。さらに真空管フィラメント用およびデジタル制御系には独立した小型AC/DCコンバーターを配置し、微小信号ラインへの干渉を排除しています。

入力段には超低ノイズディスクリートFETと完全パッシブ型RIAAネットワークを備えた高品位MM/MC対応フォノ回路を標準装備[cite: 7]。背面パネルに設けられたDIPスイッチにより、カートリッジに合わせた負荷抵抗(33Ω、100Ω、1kΩ、10kΩ、50kΩ)および負荷容量(100pF、150pF、220pF、1000pF)の細やかな設定が可能です。
・自社開発「Golden Stairway」リレー制御固定抵抗ステップアッテネーター
・完全パッシブRIAAネットワーク&専用電源搭載 MM/MCフォノ回路標準装備
・入力系統:XLR×2、RCA×1、Phono MM/MC(RCA)×1
・出力系統:XLR×1、RCA×1
・外形寸法 / 重量:W430 × H100 × D300 mm / 7kg
・アルミニウム製リモコン付属
2. Frankie stereo power|クラスAB・独立巻線電源と銀メッキスピーカー端子

「Frankie stereo power」は、左右2チャンネルのパワーアンプ回路を1台に収めたクラスAB方式のステレオパワーアンプです。出力段にはコンプリメンタリー・エミッターフォロワーによるSEPP構成を採用し、定格出力75W/ch(8Ω)、110W/ch(4Ω)を実現しています。
電圧増幅段には、NPNトランジスターを採用したVBEマルチプライヤによる定電流回路を配置。さらに独自のローカルフィードバックを備えたアクティブ・シャント回路により、電圧増幅段に流れる電流を動的に線形化し、終段のバイアス電流を極めて安定させています。
電源部には専用設計の250VAトロイダルトランスを採用。入力・電圧増幅段と出力段の電源を独立した二次巻線で分離し、ディスクリート安定化電源と組み合わせることで相互干渉を抑制しています。

スピーカー出力端子には、真鍮削り出し本体に銀メッキ処理を施した高品位端子を採用。バナナプラグ専用設計とすることで構造をシンプルにし、接点品質と確実な信号伝送を両立しています。また、マイコン常時監視によるショート・DC異常保護回路を搭載しています。
・定格出力:75W/ch @8Ω、110W/ch @4Ω
・専用設計250VA トロイダルトランス&独立巻線ディスクリート電源
・真鍮削り出し銀メッキ バナナプラグ専用スピーカー端子
・入力系統:バランス(XLR)×1、アンバランス(RCA)×1
・外形寸法 / 重量:W430 × H100 × D300 mm / 10kg
3. Frankie monoblock power(ペア)|フルバランス構成・アクティブシャント回路によるモノブロック駆動
「Frankie monoblock power」は、1台で1チャンネルを受け持つモノブロック・パワーアンプです(左右チャンネル用の2台1組、ペア販売となります)。内部に備える2基のアンプ回路をバランス信号の正相側と逆相側の増幅にそれぞれ割り当てるフルバランス・モノラル構成を採用し、定格出力150W(8Ω)、250W(4Ω)を実現しています。

本機は単なるブリッジ接続による高出力化ではなく、2基のアンプ回路の動作に合わせて250VAトロイダルトランスの電圧・電流仕様を専用に設計。電流供給能力とのバランスを重視した電源環境を整えています。さらに電圧増幅段にはVBEマルチプライヤによる定電流回路とアクティブ・シャント回路を搭載し、温度や負荷変化に左右されない安定したバイアス電流を維持します。
アンバランス(RCA)入力時においても最適な増幅を行うため、専用電源レールからディスクリート給電されるTI製ハイパフォーマンス・バランスドライバー/電流バッファ回路を搭載。左右チャンネルを独立した筐体と電源で駆動するモノブロック構成により、チャンネル間の電気的・機械的な相互干渉を物理的に排除しています。
・左右2台セット(ペア販売)
・アクティブ・シャント回路による動的バイアス電流安定化設計
・専用ディスクリート電源駆動のTI製バランスドライバー搭載(RCA入力用)
・入力系統:バランス(XLR)×1、アンバランス(RCA)×1 / 銀メッキバナナ専用端子
・外形寸法 / 重量(1台):W430 × H100 × D300 mm / 10kg
まとめ:イタリアン・デザインと妥協なきエレクトロニクスの結晶
Serblin&Sonの「Frankie」シリーズは、アルミニウムとウォルナット無垢材を組み合わせたイタリアならではの佇まいの中に、真空管SRPP回路、自社開発ステップ式アッテネーター、アクティブ・シャントバイアス回路といった確かなエンジニアリングが高密度に凝縮されています。
プリアンプ「Frankie hybrid preamplifier」を核とし、システム環境やスピーカーに合わせて「Frankie stereo power」、または左右完全独立の「Frankie monoblock power(ペア)」を選択することで、高品位なセパレートシステムを構築していただけます。
伝説的なスピーカー設計者 Franco Serblin(フランコ・セルブリン)を叔父にもち、幼少期から“第二の父”ともいえる存在であったフランコの影響を強く受けて育った Fabio Serblin(ファビオ・セルブリン)。その美学と技術の結晶であるアンプのサウンドや詳細が気になる方は、ぜひお気軽にOTAI AUDIOまでお問い合わせください。
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