テクニクスの中古コーナー!
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=オタレコようすけ管理人
=SHING02
=DJ $HIN
=牛嶋氏
「SL1200MK7がでたら?」
ウシジマさんはこれ以降MK3、4、5と最後まで携わりはったんですか。
MK5Gまでね。
MK6のときはもう定年退職してはったからですよね。
MK6の頃は外部から「ああしろ、こうしろ」言うて、作らせたけどな。「こういうの作ってくれや」とか言うて無理やり作ってもらったね。
例えば、もし今後MK7を出すという話になった場合、今のMK6からどこを変えたいですか。
それは何ともいえないかな。
「今のDJの世界がどういう動きになってるか」とか、「どんなものが求められているのか」っていうようなことをよく知った上で改良していかなきゃいけないからね。
やり残したこととか、これだけはやっておきたかったなとかないですか。
それは今のところはないね。

やっぱりDJのやり方や機材の使い方がどうなっていくか、それにあわせてターンテーブルも改良してやらないかんと思うからね。
これは開発者が勝手にやるもんじゃない。
さっき仰ったようにCDが出てきて、一回アナログの人気がかげりましたよね。
でも今はラップトップと一緒に使うじゃないですか。

だから、ターンテーブルもまだPCの音楽を操るためのコントローラーとしての需要は十分あると思うんですよね。

それで今回もこういうサイトを立ち上げたら、海外の方たちが紹介してくれたり、僕がインタビューをメールで受けたりとたくさん動きが出てきてる。

やっぱりみんなSL-1200に対してすごく興味を持ってる。

たとえば「今後また復活するのか」とか、「今手に入る中古の機材はちゃんとメンテナンスできるのか」とか、「これから買ったらどれぐらい使えるのか」とか。
生産が終わってしまったことについては誰もが残念に思ってます。

そして同時に今動くモデルをしっかりキープして使い続けていかなきゃいけないってすごい強い意識を持ってやってるんですよね。

だから、SL-1200のカスタム事業にしても、もう本体の新規生産はないのに未だに人気があります。

個人でパーツを製作したり、中古のパーツを管理してたりと、SL-1200に関する動きはまだまだ盛んなんですよ。

だから、「いつか復活するんじゃないか」っていう声はよくあるんですけど、その辺に関してはどう思いますか。
どうでしょうね。
でもそういう希望の声は社内でもあるんじゃないですか。
そういう考えをどこまで持っていくかやね。

製品は生産が終わると、法律的に8年まではパーツを取っておくようにという決まりがある。

だから、8年間保存していれば、それ以降はそれについては責任を持たんでいいですよというメーカーに与えられた法律なんですよ。

だから、それを意識して、8年で「はい終わりです」とするのか、それとも「いや、この製品は愛着があって皆使ってくれてはるからね、サービスでメンテナンスも受けましょう、部品も供給しましょう」というようにするのか。

もしサービスを続けていくことになれば、市場にはずっとSL-1200のモデルは残るし、出回っている中古品だってしっかり動かせると思うね。
新規生産はしなくても「せめてパーツだけでも」というようなことですかね。
8年ていうのは初めて知りました。

テクニクスはもちろんSL-1200だけじゃなくて、いろんなオーディオ機器を作ってたわけじゃないですか。
そのファンもきっといっぱいいると思うんですけど、そういうものに対しての要望も強いんですか。たとえばアンプとか。
強いと思いますね。
今は修理とかも受け付けてないんですか。
修理は受け付けてます。ただ、生産終了から8年が過ぎたものについては修理も断られるケースは多いね。
修理するにも、もう部品がなくなっちゃうからね。
ということは、製品自体の新規生産は終了してても、パーツの生産は今もやっているんですか。
部品単位での生産はまだやってるね。
それ聞いたらちょっと安心やね、まだね。
カートリッジの生産はやってないみたいですが。
カートリッジはもうとっくにないです。
たぶんカートリッジ自体は部品扱いにはならないから。
やっぱり、純正を使いたいっていう声たまにあるんですよね。
現状としてはSHUREとかのカートリッジを使ってもらうしかなくて。
ないね。カートリッジはもう早いね。売れちゃったからね。
カートリッジの生産が終わったのって、2000年なかばくらいでしたっけ?
MK6の生産終了と同時に終わった感じです、カートリッジも。
「SL-1200の生産」
SL-1200の生産をするのに、最初の工場の選定の基準とかについて伺いたいです。

以前パーツの生産は、色々な工場にバラバラにオーダーしていたっていう話を聞いたのですが、選定をするのに何社か工場の候補があって、 実際に部品を作ってもらった上でそれをチェックして決めるとかという感じだったんでしょうか。
基本的には共存共栄なんですよ。契約している工場がいくつもある中で、「この部品やったらこの工場でうまく作ってくれるやろ」ということで、
話を持っていって実際に作ってもらうという考え方なんですよ。

だから、こことここを作ってもらって、どこがええかというそういう選別じゃないんですよ。
それぞれの工場ごとの特徴や得意な点をあらかじめ把握しておいて、その上で最適だと思われる工場にお話を持っていくわけですね。

あとSL1200 MK4についての質問なのですが、このモデルはやっぱりDJに対してではなく、リスニングのお客さん向けに作ったんですか。
そうですね。

あれはいろいろなDJを見に行ってた中で、ぼくの好きな日本橋のお店で、78回転のSPレコードが出だした頃なんですよ。

ところが78回転のSPレコードを再生できるプレーヤーが出てなかった。「じゃあ作ろうやないかい」ということで、台数限定で作ったんです。

普通の33回転、45回転に加えて78回転をつけて出したのはそういうことで、SPレコードを聴きたい人のために音響屋として作った。
新しいスピードをひとつ加えるというのは結構大変なのですか。
生産台数が限定やから、ちょっと苦労しました。

新しくICチップを作ったわけでもないから、今あるICの中に新しく回路をくっつけて78回転を作った。
だから部品の数は少し増えているね。
増やしたんですね。例えば可変抵抗みたいなパーツを入れ替えたってわけじゃなくて。
そういうものじゃなく、クォーツ(Quartz)やからね、水晶の振動子の周波数をICチップに流して、回転数を出すための周波数を発信させるんやけどね。

その水晶を78回転でも対応できるように変えるわけです。

MK4以前にあったICチップは33回転と45回転しか働かないから、78回転用の周波数が出るように水晶をICチップに加えるわけですわ。

そうやってICチップを78回転でも働くように作ってやらなあかんというわけ。
ターンテーブルの修理をやっていたときに、よくボルテージのレギュレーターのチップがダメになっちゃって、それ変えることがあったんです。

回転してるときに急に揺れが来て不安定になったり。

そういうときにレギュレーターのチップを同じパーツ探してきて、交換したりとかしてたんですよ。
あのレギュレーターもかなり強いけどね。
でも、たまに、クニュ、ブウウとかなってて、直したりとかもしてましたね。
確かMK4はインシュレーターもバネが2本入ってるんですよね。
そうだね。

通常だとインシュレーターもバネは渦巻きで1本しか入ってないんだよね。だけど、これは右巻きと左巻きっていうように、相反するように2本入れてるんですよ。ターンテーブルはダイレクトドライブだから、磁石でオンオフを切り替えるのね。

切り替えるときに逆向きに力が働くことで、トーンアームが落ちて揺れるわけです。

それを、右巻きと左巻きのバネを入れて、相殺させるのが狙いなわけです。
MK4だけなんですか。
はい。MK4だけ。
それだけ、オンオフが激しいからですよね。
そうそう。それをあくまでも民生用のモデルとして出すからいいんだよね。
仮に、MK4に搭載されているインシュレーターを、それ以降のモデルにつけた場合、効果は見られるんですか。
効果は出ます。
というのも、自分はもう20年以上ずっとアメリカに住んでいるんですけど、向こうの人たちはターンテーブルの使い方が荒いんですよ。

どう考えても、本当にひどい。
もちろんRCAの端子もすぐちぎれてきますし、トナーの上のビスラムもベアリングがめちゃめちゃになってたりとか。

かなりダメージが大きいんです。

それなのにコアな部分は絶対に壊れないっていうのがすごい。
SL-1200のモデルも、MK3さえもなかなか見つからなくて、ほとんどMK2が出回っていました。
輸出しなければMK4とかMK5は出してないからね。
では、あのモデルはいつまで作り続けてたんですか。MK3を作り始めたらもうMK2は終わったってことですか。
ヨーロッパとかアメリカでは、日本でMK3とかMK4が出ても、ずっとそのままMK2で続いてた。
それを出し続けてた間、日本ではMK3以降を作ってたってことですよね。MK5が出る頃もアップデートされずに海外ではMK2が作られてたということですか。
そうですね。
それなら合点がいきますね。日本ではもっと後継機が出ているはずなのに、なんでアメリカではほとんど見なかったのか不思議だったんです。
海外ではMK2はいつまで作ってたんですかね。
事業が撤退するまでずっとだね。日本でMK6が出ても、海外ではずっとMK2が生産されてたから。
では海外には、ほぼ新品のMK2があってもおかしくないっていうことなんですね。
日本のDJはアームも強化されたMK6のいいモデルを使えていたのに、海外の人は昔のMK2を使わなあかんかったってことですよね。
それは一切日本には出てないってことですか。
MK2は出てないですよ、MK3が出たって時点でね。
MK2欲しかったんだよね。
逆に、海外に行けば比較的簡単に手に入るってことですよね。MK6の頃までずっとMK2が生産されてたってことはかなりの数が出てるかもしれないし。
でしょうね。
「ターンテーブルの生存」
僕らはVestaxとも付き合いがあるので、僕もVestaxと一緒に機材を作ったりしているんです。

そんな時、どこまで本当なのかは分かりませんが、Vestaxの会長が、「自分はテクニクス2台と真ん中にミキサーを置いて、 セットでアメリカに売り出すのに貢献した」って言っていたんですよ。

会長が言うには、それまではセットで売るっていうっていうことは誰もやっていなくて。
だから「ミキサーも全部テクニクスで作ったほうがいい」って伝えたけど、それでも作らないからVestaxで作ったっていう話もあったんですよね。

それについてはどう思いますか。
商品を作るかどうかに関しては、企業のトップの考え方次第やからね。

下で開発してる人間が「こんなん作ってみたい」と思うても、そこは思った通りにできるわけじゃない。
結局「それ作ってどんだけの売り上げが伸びんねん」というような問題が出てくるわけですよ。

家電メーカーはいろんなもん作ってるから、作りたいものが何でも作れるというわけにはいかないよね。
家電メーカーだから、やっぱりクーラー、冷蔵庫、テレビとかがメインになってくるわけですよね
そうだね。

もし音響メーカーが作るんだったたら、それはもうメシの種だから、当然ミキサーも作らなきゃいかんと思う。

だからテクニクスも「音響ブランド」で、「DJブランド」だっていう自負があったから、ミキサーも出さなきゃいけないという話になったわけ。
それで出したのがDJミキサー、SH-1200ですわ。
今でも愛用している人は多いですよ。
そうですね。クオリティーがすごく高いっていいますし。
いや、それが最初のモデルは完成度としてはそこまでじゃなかった。でも、その後アップデートされてEXになった。
初代モデルのよくなかったところっていうのは具体的には何だったんでしょうか。
やっぱりフェードアウトのときの音の残り具合やね。

フェーダー自体のキレがあんまりよくなかった。
75デシベルしかなかったから。

要するに、もともとの音を1としたら、フェーダーで切って音を絞っても75デシベルぐらいしか下がらなかった。
だから、切っても音がかすかに聞こえるわけですよ。
特にクラブの大きいスピーカーだと簡単に分かっちゃう。

それを解決する為に改良したモデルがEXで、そのときに初めて、スライドボリュームじゃなしに、光でオンオフかけたと、
これがテクニクスが初めてです。
光学式のクロスフェーダーですね。
あの時、ぼくも「どのクロスフェーダーがキレがいいんだ」とか言うて、色々と試しましたからね。
テクニクスのDJに関する商品で、作ろうと思って開発していたけど、結局できなかった商品などがあったら教えて下さい。
できなかったというよりも、試作まではした商品があって。今は平然と出回っているけど、コントローラーを作ろうとしてたんですよね。
ターンテーブルとしてのコントローラー。
つまり、ターンテーブルに乗せるレコードに音じゃなく「信号」を入れておいて、ミキサーの音をコントロールしますやんか。
はいはい。
今のSerato Scratch Liveみたいな感じですよね。
それを作ってた。

レコード盤なしで、トーンアームも使わずに、ターンテーブルだけ動かしてそのまま連動できるようにしてた。
製品化はしなかったんだけどね。ただ、こういうことを将来やってみたいなってことで作ってた。
この業界も「将来こうなるやろな」と思ってやってはったわけですね、ドンピシャじゃないですか。

早すぎたんやな、ウシジマさんは。そのとき、実機のテストはCDでやってはったんですか。
そのときのテストはCDやね。
CDの再生速度をピッチコントローラーで変えて、合わせられるようにして。
例えばスクラッチしようと思ったときに、その動きでCDの音でスクラッチができるようなね。
それって正確には何年頃か記憶してますか。
仕事の合間で少しずつやってただけだからね。

ただ、CDJはまだ出てない頃で、「こういうことできひんかな」って考え出してたんだから、85年の後半ぐらいかな。
CDJとかもまだない時代…。

どんだけ時代を先取りしてるんですか。
それが製品化してたらすごいことになってたかもね。
Seratoなんかよりもずっと前にそのコントロールをやろうとしてたんやからなあ。
当時から僕らも毎年機材の見本市に行って色々な機材を見ていたので、Seratoがデビューしたての頃も知ってるんですよ。

そのときはちょうどテクニクスがCDJを出したばかりで、皆が目を輝かせてCDJを見てて、「SeratoみたいにラップトップでDJするなんて」って
誰も相手にしていませんでした。今ではCDJも普及して根強い人気がありますし、パイオニアもすごく頑張っています。
でも、だんだん分かれていったんですね。初めはラップトップでDJするなんて反応も良くないし、スクラッチをしてみてもレコードの感触とはほど遠くて、
誰もやりたがらなかった。

でもだんだん製品としてのクオリティーが上がってきて、有名なDJがレコードを持ち歩かなくてもちゃんとパーティーができるって使い始めた頃から
みんながSeratoに移行していった。

それで、スクラッチの精度上がり、最終的にはターンテーブルもコントローラーとして残った。
残ったね。
それ自体はすごく良かったなって思ってるんです。

例えば、ターンテーブルの売り上げがかげり始めたときに、MIDIコントローラーを出すことによって、自らターンテーブルの売り上げを下げていっちゃったと思うんですよ。

2000年代の後半になっていったら、もはやターンテーブルの売り上げは毎年半減するような勢いになっていました。
今となってはMIDIコントローラーも人気ですから。
それで、ターンテーブルがSeratoみたいなラップトップのソフトウェアのコントローラーとして、まだ残ってるってことについてはどう思いますか。
いいんじゃないですか。

その用途があるからこそターンテーブルもまだ残って続いてきているわけですからね。
もちろんそれぞれ考え方が違うとは思うけど、DJならアナログでのスクラッチのパフォーマンスが基本になってくると思うんです。
で、そこで習得した技術をね、もっと色々なことに展開していったらいいんじゃないかと思う。そうすれば両方共存できるだろうし。
まさかラップトップのソフトウェアの精度がここまであがるとは誰も予想できなかった。

前はラップトップ自体の性能が足りなくてクラッシュするだとかっていう不安定なとこもあった。
でもアップルだったり、セラートだったり、テクニクスだったり、色々なところが頑張った結果として今がある。
それこそ共存だと思うんですよ
今後も今までとおんなじように競り合ってずっといってほしい。
もちろん。だってアナログレコードはまだ全世界に何百万枚って残ってるわけで、それは消えないじゃないですか。

今若い子たちがDJ始めるっていったときに本当にMIDIコントローラーだけになっちゃうのか、それともちゃんと$hinさんの教則みたいにターンテーブルで
ちゃんと教えますってやっていくのか。
DJスクールやってて、「あくまでアナログです」みたいなスタンスしてるところなんてウチぐらいやもんな。
僕は素人やけども、やっぱりアナログがベースだと思う。

アナログDJを続けて「どこで音を入れて、どこで音を聞く」とかっていうスキルを習得できて、そうしたらCDなりコントローラーなりに展開していけばいいと思いますよ。
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