dj tenorikamiインタビュー

dj tenorikamiプロフィール
はじめに
さてさて、あにおたいのインタビュー第3弾を始めたいと思います!第3弾のゲストはtenorikamiさんです!よろしくおねがいします!ぱちぱち!
あにおたいをご覧の皆様はじめましてLoopyRelay代表tenorikamiと申します!よろしくお願いします!
まず最初にインタビューのきっかけが面白かったですね。このインタビューは何をかくそう、今日(2012/5/15)決まったんですよね。(笑)

オタレコにお客さんとして電話をいただいて、そこからあにおたいの話になり「今晩お願いできませんか?」みたいな。すぐ決まっちゃった。
はじめは単純にパーツ紛失していつもご利用させて頂いてるotaiさんにお電話で問い合わせしようと思ったんですね。その時に以前、あにおたいというページでルーピーが取り上げられていたのを思い出して、いつか名古屋に行った際に挨拶しに行こうかなと思っていたのですがお電話に出られた方が威厳のある声だったので(笑)
「これは今お礼言わないと!」って思ったんです。そしたらお話が盛り上がってしまいまして今に至るというわけです(笑)
LoopyRelay設立までの経緯
では、まずはtenorikamiさんがなにをやっている方なのかを教えてください。LoopyRelay代表とありましたが、初めて聞く方もおられると思いますので、LoopyRelayとはなにか、まず教えていただけませんか?
はい!LoopyRelay(ルーピーリレー)とはインターネットで生放送を個人で行えるustreamというサイト内で毎月第二第四火曜日に放送しているDJ番組ですね!毎回全国からゲストをお招きしてますのでぜひご視聴ください!
へー、毎月第二第四火曜日何時からやってるんですか???
多少前後することがあるのですが基本21時からになります!
おーこれは要チェックですね。http://loopyrelay.web.fc2.com/にアクセスすればいいんですね?
はい!そちらの方から放送が見れますのでぜひお願い致します!
お?LoopyRelayのサイトのreleaseのところをクリックしたら出てきたんですけど、曲なんかもリリースされているんですか?結構いろいろありますね!?
そうですね!こちらにすぐに視聴ができるレーベル用のページもあるので、こちらもチェックしてみてください!

http://loopyrelay.bandcamp.com/
なるほど、DJだけでなく手広くやってるんですね。メンバーはtenorikamiさん以外にけっこうおられるようですね!分厚いなあ(笑)

この方々はインターネットで知り合った方なんでしょうか?
運営しているメンバーは現在自分含め14人ですね!各個人ごとDJとトラックメーク、イラストレーター、VJと活動をしています!
出会いはいろいろですね!直接知り合った人もいれば、はじめはうちのお客さんだった方もいますね!
14人もいるんですね!す、すげええ!
それだけいたらいろいろできそうですね!サッカーチームもできます!控えも付けて(笑)

今こうやってLoopyRelayが活躍しているわけですが、その立ち上げに至るまでのきっかけってどんな感じだったのでしょうか?
立ち上げは僕がDJで名古屋にゲストで呼ばれた際に、「僕は無名過ぎて呼んでも名古屋の人はわからないよ!」というのが申し訳なくて、「じゃあ今ustreamっていうのがあるから、そこで名古屋のみんなと僕が順番に放送して少しでも興味を持ってくれる人が来てくれたらいいな」って感じで始めました。

その後しばらくしてから「あれ楽しかったからもう一回やろう!」となってもう一度やってから、出演したいといってくれるDJが増えてきて「じゃあ続けてやってみよう!」となったのがきっかけでしたね。
なるほど、ustreamが原動力になっているのですね。実際UST(ustream)って、アニソンDJの間ではかなり普及してますよね。UST検索してると、いつも日本のどこかで誰かが放送やってますし。やっぱりリアルタイム感がいいのかな?
tenorikamiさんがUSTを気にいっている理由はどういうところなんでしょうか?
僕が目をつけているのは「配信環境があれば誰でもできる」というところと、全国に散らばっていても「この人のDJを、この人の曲を聞かせたい!」というのがすぐに出来るというところですね!
「もっと手軽にみんなに見せてあげたいな」っていう希望がかなえられますし、やっぱりポイントは「手軽!」っていうところでしょうね。
おおお!それは素晴らしい。感覚的には理解していますが、確かにこうやってお話を聞くと改めて、USTのすごさを思い知らされます!
USTでDJやりたいんですけど、って言う人は結構多いですからね、あにおたいでも紹介していますし。

というわけで、これをお読みの皆さんもLoopyRelay是非チェックしてみてくださいね。ようすけ管理人も貼りついて見たいと思います!(笑)
プレイスタイルについて
では次にtenorikamiさん自身のDJについてお聞かせいただきたいと思います。tenorikamiさんのDJのスタイルはどんな感じなのでしょうか?
僕のDJはほんとに「幅広くジャンルを取り入れたい!」というのがテーマにあって、メインストリームであるHIPHOPやハウスだけでなく、アンダーグラウンドなジャンルも幅広く取り入れてます!

たとえば最近いいなーと思うインドネシアハウスことFunkykotaや、JUKE Grime、ポストメインストリームDubstepなども取り入れています!口で説明すると色々やってますとしか言えないので、Mixを聴いてください(笑)

http://soundcloud.com/tenorikami/transition-djmix
げ!ファンキーコタまでおさえてるなんて(笑)
中でも僕が今一番押しているのはGhettofunkというジャンルです!こういったバックボーンの中にアニメネタを仕込むのが僕のスタイルになりますね!
はー、相当幅広いですね、tenorikamiさん、さすが好奇心旺盛なだけあります(笑) ここまで、いろいろ混ぜてるのは相当新鮮で楽しいです。

これをお読みの皆さんも是非tenorikamiさんのミックスに注目してほしいですね。USTだとどうしても体で感じるという部分よりも、耳できいたり、脳味噌が楽しいって状況に持っていかないといけないと思うんです。そう意味ではtenorikamiさんはUSTでしっかり聴かせるスキルは半端ない気がします。色で言うと相当カラフルで目が痛いくらい(笑)
ありがとうございます、目が痛いのは間違いないですね(笑)

ぼくはもともと四つ打ちのDJだったんですが、当時みんなアンセムとメインストリームの取り合いだったっていうのが面白くなかったんです。DJってホントは自分の好きとお客の好きを共有するのが醍醐味なのに、お客様のニーズばっかにとらわれちゃって、「なんともなー」っていう感じがあって。
うんうん。
だから「なるべくいろんなジャンルを織り交ぜて、その中からジャンルのひとつでも拾って自分のプレイスタイルに取り込んでもらえれば」っていう気持ちでDJしてます(笑)

なので、僕のDJはお客様というより「DJにターゲットをおいてどうなるかな?」っていう感じですね。
はー、他のDJのことまで考えてプレイしてるんですね!
使用機材とその活かし方とは?
tenorikamiさんのミックスを実際聞かせてもらったんですが、すごくベースがしっかりされてますね。こういう方がアニソンのDJをするとすごいことになる、、、結構カルチャーショックです!
今はNI社のTRAKTOR S4という機材を使っていますね!
昔はCDJもタンテもスクラッチライブも使ったりしていたのですが、今はこれ1台に落ち着いています。

欲を言うとサンプラーが欲しいんですけどね(笑)
おー!やっぱこのハイパーな感じはTRAKTOR S4ですか!

ではS4に落ち着いたのは何か理由があると思うのですが、S4が気に入っている理由は何かあるんでしょうか?
こいつはDJ文明破壊兵器です(笑)
オートシンク機能の性能の良さ。これで耳で合わせなきゃいけないDJ中の行程が約半分の時間でできてしまいます。あとはチャンネルの使い道の幅広さ、エフェクトの数。スピンコントロールもパイオニアのCDJ400あたりとほぼ変わらない反応、どこをとっても文句なしですね(笑) スクラッチもCDJで慣れている方は普通にできますから。
確かに。オートシンクの機能の精度のよさは本当にすごいですね。まだご存じない方の為に説明すると、オートシンクと言うのは、勝手に曲と曲のスピードを合わせてくれる機能。
レコードの場合だと曲と曲を聴いてピッチコントローラーでBPM(曲の速さ)を合わせないといけない。その作業にそれなりの時間がかかるんですよね。

しかも原曲のスピードが違いすぎると、MIXさせることは難しい。でもTRAKTOR(S4に付属されているソフト)の場合だとそれが可能なんですよ。しかもボタンひとつ、一瞬で。

これの一番のメリットは、「DJに時間の余裕が生まれる」ってことです。
そうですね!そして、その空いた時間に色々なことができるようになりました。
ループをつけてみたり、サンプルを再生したりもできますし、一番やりやすかったのは3チャンネルのミックスでした。すごい手軽なんです。

僕はその中であえてオートシンクを外して曲のBPMを変えることで、いろんなジャンルに引っ張れるように研究しましたね(笑)
なるほどですね。実はTRAKTORが本格的に日本でも流行り出した頃に、このオートシンクについてはいろいろと言われていたんですよ。
ようすけ管理人が作ったわけでもないのに、結構先輩DJから怒られた(笑)

「こんなのDJじゃない!」
「DJの一番面白い部分をすっ飛ばして何が楽しいの?」とか(笑)

tenorikamiさんの言う「DJ文明の破壊装置」っていうのも本当に言い得て妙で、TRAKTORが日本で流行り出した時には、完全にそんな言われようだった。
そこで「オートシンクで余った時間どうする?タバコゆったりふかしてるだけとか、ビールゆったり飲んでるだけとかじゃクラシックなDJに怒られっぱなしだぞ!」となったわけです(笑)

tenorikamiさんのDJはそういう突っ込みに対する見事に回答を出している気がします。私がTRAKTOR DJに対して思い描いている理想のプレイですよ、ホント。
恐縮です(笑)
ただやっぱり、オートシンクにもクセはありますし、空いた時間にやれることもたくさん増えたので、「そこをどう活かすか?」っていうのは課題でもあり、でも新しい面白さでもあると捉えています!

実際綺麗にシンクしすぎてちょっと気持ち悪い時とかもあるので、そこはほんの少しだけズラしてグルーブ感を出す研究などもしています(笑)
私が思うに、TRAKTOR DJには「TRAKTORしか知らないDJ」そしてもう1つ「いろいろ体験してTRAKORにたどり着いたDJ」の2種類存在しているんじゃないかって感じがします。

そんな中で、前者のDJだと、ビートのわずかな揺らぎとか、キックのわずかなずれから生み出されるグルーブ感なんかは、もともとイメージすらないんじゃないかなあ。だってズレることを知らないわけだし(笑)

tenorikamiさんの強みは、ベースが完全にしっかりしていて、そのうえで、TRAKTORを使っておられることだと思いますね。だからTRAKTORしか知らないDJも、逆に一回レコードやCDでプレイしてみるともっと幅が広がるんじゃないかなあ。
TRAKTORの動向
いやー、なんか、アニソンDJと言うよりはTRAKTORの特集のような感じになってしまってますね(笑)
実際アニソンDJの中ではTRAKTORを使うDJは増えているんですか?
やっぱり多いですね!僕の後輩がやっているイベントとかでもDJブースが要塞みたいになってて、S4ってでかいので左端の方にちょこんと設置していつもやっていましたね(笑)
メカ好きにはこの要塞感もたまらないですね(笑)
正直なところ、20年前くらいのDJが見たら完全に意味がわからないでしょうね(笑)
今後の展望について
では、今後のtenorikamiさんの展望ややりたい事なんかをお聞かせいただけますか?
今やろうとしていることは、アニメやゲームといった日本の二次元文化って、世界に誇れるものだと思うんですよ。今こうしてクラブミュージックとして見られるようになっても、結局それは日本向けの活動です。これは海外に向けられてはいないのが現状だと思うんです。

今まで日本から広まったジャンルってないと思うんです。ほとんどが海外から入ってきたものですよね。なので国内向けの発信はもちろんなんですが、海外向けに発信できるコンテンツっていうのが頭の中で固まっているので、そこを目指すのがひとつ。

あとはアニソンとクラブミュージックのブートレグやremixが増えたのに対して、他の二次文化、たとえばゲームミュージック、との関わりがまだまだ細分化できていないなと感じているので、そういった活動の一環として「カードゲームとコラボしたい」って考えがあるんです。
今ちょうどやっているのですが、カードゲームのイラストレーターさんとコラボしています。

「DJにしてもアニメにしても、もっと関わりを持っていけるであろうところを探して、それを発信してみたい」っていうのがぼくの目標ですね。
なるほど、なんかお話を聞いていると、これからの日本の音楽シーンの希望が見えてくるような気すらしますね(笑)
たしかに日本の二次元文化というのは、世界に誇れるというか、既に席巻しまくってますよね。それにもっと気付いていった方がいいのかもしれません。

そういう意味では、日本でコツコツ地味に活動しているアニソンDJも、海外の行くところに行けばVIP待遇で迎えられるかもしれませんね。宿はもちろんスイート、飛行機はファーストクラスとかで(笑)

だからtenorikamiさんの言うように、海外に発信していくというのはこれからのアニソンDJシーン、もっと言えば日本の音楽シーンのカギだと思います!
日本の音楽シーンを担えるほど僕はデカくないんですけどね(笑)
それでも僕なりの日本シーンの見せ方っていうのを日々研究したいです。

僕自身がアニメだけじゃなくてゲームも好きなんですが、ほぼ毎日ニコニコ動画の実況プレイ動画を見たり自分でレトロゲームをそれこそレコード掘るように探してたりするんです。
先程例に出したゲームミュージックも、海外ではめちゃくちゃ多い!(笑)
それこそゼルダとかロックマンとかのアレンジがされてる!
だからそういうゲームミュージックなら海外の人でもわかるんじゃないかなって思うわけです。

最近はゲームのSEをサンプルして加工するのが楽しみの1つだったりしてます(笑)
なるほどなるほど。
ちょっとテーマがデカくなっちゃうんだけど、今の政治や経済でも同じことで、tenorikamiさんの言うように、世界に誇れる何かを探して、それを切磋琢磨して、日本をアピールしていく動きって絶対必要だと思いますね。
始めたいと思っている人たちに一言
では最後にひとつ、オタレコには毎日のようにアニソンDJをはじめたい!って声が全国から寄せられています。今からアニソンDJを始める初心者の方に何かメッセージをいただけませんでしょうか?
はい!
アニソンDJをしてみたい方は、まずアニソン以外のクラブミュージックに触れてみてください。そうじゃないとDJの基礎が学べません。
はっきり言うとアニソンDJはめちゃくちゃ難しいです。テンポもバラバラで曲のバックボーンでギターをジャカジャカ弾いているようなロックもあれば、ラップ全開のHIPHOPもあります。
それを全部ちゃんとつなげるようになるのは僕自身まだまだ勉強不足なくらいたくさん練習が必要なんです。

ですから、1つでも好きなジャンルやDJのスタイルを見つけて、それを活かしてアニソンDJをしてみてください!

そして逢坂大河はぼくの妹です!!!!異論は認めません!!!
これはこれはアツいアドバイス誠にありがとうございます!
確かに私もあにおたいにかかわって以来いろいろ聞かせてもらってますが、アニソンDJって簡単じゃないですよね!おっしゃられるように、曲によってバラつきがハンパじゃないですからね、いい意味で。

いや、しかし今日はとっても楽しかったです、今後もtenorikamiさんから目が離せないですね!ようすけ管理人も注目していこうと思います。みなさんもLoopyRelayをチェックしてtenorikamiさんをサポートしていきましょう!
今回はこんな素敵な機会を用意して下さりありがとうございました!
アニソンDJを目指す方は、ぜひともアニソンDJ以外の現場にも足を運んでみてください。
そして「ルーピーリレーに出たい!」「曲をリリースしたい!」という方はぜひtwitterに@飛ばしていただけたらと思います!

最後になりますが今後共ルーピーリレーの活動にご期待ください!本日は誠にありがとうございました!
ありがとうございました!!


Loopy Relayコンテンツ

Vestax VCI-400 PLAYDEMO (DJ BLMD from Loopyrelay)




今回登場した機材
Native Instruments
TRAKTOR KONTROL S4